言葉の風(28) 「グレシャムの法則」 | "Food for Thought"

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かつて、貨幣には、「金」が決められた分量含まれていました。改鋳の際、通貨の発行母体が金を手元に残しておきたいため、額面金額をそのままにして、金の含有量を減らしたことがありました。市場には、規定の金が含まれた通貨と、少ない金の含有量の2つの通貨が流通することになります。やがて、人々も、2種類の通貨が流通していることを知り、金がきちんと含まれる貨幣は自分で保有し、それ以外のものは市場に放出します。その結果、市場には「悪貨」のみが出回るという現象が起きます。

 

 「悪貨は良貨を駆逐する」

 

これを、当時のイギリス財政顧問の名前にちなんで「グレシャムの法則」と呼びます。この「悪貨」と「良貨」はさまざまなに置き換えられます。
 

仕事では、重要な業務遂行のために練り上げる時間が必要です。しかし、往々にして緊急性のある業務や会議のアレンジなどに時間を費やされます。「重要性」を縦軸、「緊急性」を横軸として4象限に区切った場合、最初に手をつけなければならないものは、「重要性」かつ「緊急性」の高いもののはずです。しかし、現実には、「重要性」より「緊急性」が優先されるのではないでしょうか。その結果、バタバタと仕事をして一日が終わるというのが実態です。「緊急性は重要性を駆逐する」のです。

 

 

これを防ぐ方法はぱっと思い浮かばないのですが、これを踏まえて、「良貨」を駆逐しないよう心掛けるしかないのかもしれません。