ある日田中の前にひとりの男が現れた。
「やあ、僕は未来の君だ。」
その男は田中と同じ年くらいの田中よりも小柄な男だった。
「未来の俺だと?」
「そうさ。未来の世界にはタイムマシンがあるのだ。それで戻ってきたのだよ。
実は君にお金を借りたくてね。」
そう言うとその男は片手を差し出した。
「ちょっと待て。仮に、仮にだ。お前が未来から来たとして、俺に全然似ていないじゃないか。
だいいち、歳だって同じくらいだろう。」
「いやいや、そうか。この時代ではまだ未来の概念がしっかり確立していないのだな。
わかりやすく言うと僕は君の来世だ。君は80で死ぬがその後僕になって生まれ変わる。
この時代では来世など一部の宗教でしか信じられていないようだが僕の時代では科学的に証明されているのだ」
「ふうむ。どうも信じられん。そもそもなぜ未来の俺が金を借りに来るのだ」
「事業に失敗したのだ。結局は自分のためになるのだから金を貸してほしい。」
「新手の詐欺かなんかだろ。こんなことで騙されてたまるか。」
田中はそう突き放した。
「そうか。わかった。ではもう頼まない。だが君は自分自身をたすけなかったことを将来必ず後悔することになる。」
その男はそう言うと田中に背を向けた。
「ちょっと待て」
田中はそう呼びかけると少しだまり、財布から10万円ほどの金を取り出した。
「これでいいか。仮に騙されたとしてもこのくらいの金ならあきらめが付く。」
「10万か。これじゃ足りないが、まあこの時代の僕に大きな負担をかけるわけにもいかないからな。」
その男は10万を受け取ると去っていった。
田中は男の背中を見送りながら立ち尽くしていた。
なんとも言えぬ気持ちだった。
未来というのは確実に存在するものだからこんなことがあっても不思議ではないが、
それにしても過去の自分に金を借りるとはなんとも不自然だ。やはり騙されたのだろうか。
「あの。」
後ろから肩を叩かれ、振り向くと初老の女性が立っている。
「私は来来世のあなたですが、ちょっとお金に困っていて・・・」
「やあ、僕は未来の君だ。」
その男は田中と同じ年くらいの田中よりも小柄な男だった。
「未来の俺だと?」
「そうさ。未来の世界にはタイムマシンがあるのだ。それで戻ってきたのだよ。
実は君にお金を借りたくてね。」
そう言うとその男は片手を差し出した。
「ちょっと待て。仮に、仮にだ。お前が未来から来たとして、俺に全然似ていないじゃないか。
だいいち、歳だって同じくらいだろう。」
「いやいや、そうか。この時代ではまだ未来の概念がしっかり確立していないのだな。
わかりやすく言うと僕は君の来世だ。君は80で死ぬがその後僕になって生まれ変わる。
この時代では来世など一部の宗教でしか信じられていないようだが僕の時代では科学的に証明されているのだ」
「ふうむ。どうも信じられん。そもそもなぜ未来の俺が金を借りに来るのだ」
「事業に失敗したのだ。結局は自分のためになるのだから金を貸してほしい。」
「新手の詐欺かなんかだろ。こんなことで騙されてたまるか。」
田中はそう突き放した。
「そうか。わかった。ではもう頼まない。だが君は自分自身をたすけなかったことを将来必ず後悔することになる。」
その男はそう言うと田中に背を向けた。
「ちょっと待て」
田中はそう呼びかけると少しだまり、財布から10万円ほどの金を取り出した。
「これでいいか。仮に騙されたとしてもこのくらいの金ならあきらめが付く。」
「10万か。これじゃ足りないが、まあこの時代の僕に大きな負担をかけるわけにもいかないからな。」
その男は10万を受け取ると去っていった。
田中は男の背中を見送りながら立ち尽くしていた。
なんとも言えぬ気持ちだった。
未来というのは確実に存在するものだからこんなことがあっても不思議ではないが、
それにしても過去の自分に金を借りるとはなんとも不自然だ。やはり騙されたのだろうか。
「あの。」
後ろから肩を叩かれ、振り向くと初老の女性が立っている。
「私は来来世のあなたですが、ちょっとお金に困っていて・・・」