目を覚ました田中は飼い犬の散歩に行く事にした。
天気はとてもよい。さんぽ日和だ。
機嫌よく、犬をつないでいる外に行くとそこには驚きの光景があった。
田中の犬が立って歩いているのだ。

「これはどうした事か?!」

こんな芸をしこんだ覚えは無い。
テレビで直立して歩く犬は何度か見たことはあったが…
見ると田中の犬はそういった類の犬とは違い、ひざを高く上げ両腕を振ってまるで人間のように歩いている。

「いったいどうしたんだ、お前?!」

犬に話しかけてみるが返事が返ってくるわけも無い。
するとどうした事か、
少し上に目をやると一匹の猫が二本足で立ち、両手を広げてバランスを取り、綱渡りのように塀の上を歩いているではないか。

「これはどうした事だ!?これは夢か?」

田中はほっぺをつねってみたが、やはり夢ではなかった。
怖くなった田中は家の門を出ると、道を歩きながら通りに面した家の庭を覗いてみた。
すると、どの家の犬も猫も人間のように二本足で立っているのだ。
田中は怖くなり夢中で道を駆け抜け、近くの公園の砂場に行くと、ふちに腰掛けて頭を抱えた。

「なにがどうなってしまったのだ。誰かのイタズラか?いや、こんなイタズラができるわけが無い。ではなぜ・・・」

田中が一人恐怖におびえていると、誰かが後ろから近づいてくる気配がする。
後ろからだけではない。
右からも、左からも…
やがて、田中は自分が囲まれている雰囲気を感じ取った。

…恐る恐る顔を上げてみると
…前には大きな犬、
後ろには三毛猫、
左右には濃い色をした犬が仁王立ちし、腰掛けている田中を見下ろしていた。

ああ、一体世界はどうなってしまったのだ…
俺はどうすればいい…



少し考えると田中は決意したようにあごを上げ、
直立した動物達の中でゆっくりと四つんばいになった。