はじめに



私はこれまで15年間、インテリアショップを経営してきました。


オンラインショップを開設したのは2009年のこと。その当時はECという言葉もまだ定着しておらず、ネットショップといえば楽天への出店だけが成功への一本道と言われていた時代です。


私も意気揚々と楽天に申し込みをしましたが、なんと審査落ちしてしまいました。もともと父が経営してきた会社を引き継ぐ形で業態を変更してスタートしたので、胡散臭かったのかもしれません。元々父がやっていた内容も、足裏の温熱治療器の卸販売だったのですが、なぜか登記簿の付帯事業の欄に「スピリチュアルヒーリング、チャネリング」などといった怪しいワードが含まれていました(汗)


そう、父はゴリゴリのスピリチュアルお化けで、過去には自身が教祖として運営する怪しい宗教団体も存在したそうです。父と母は私が5歳になる前に離婚していましたが、大人になるまでに何度か父に会う機会がありました。ある日、父に呼ばれたオフィスの一室ではスーツ姿の女性数名が、父の手から出る波動を受けて床に崩れ落ちたかと思うとのたうち回るというこの世の終わりのような光景を目の当たりにしたことがありました。あー、やっぱり父はかなりヤバい人なんだなとその時に再認識し、それ以来はできるだけ父と関わらないよう、連絡があっても出来るだけはぐらかすようにしてきました。


話は戻りますが、楽天の審査に落ちたので、仕方なく独自ドメインでショップを開設することにしました。月額千円以内でお店を出して売りホーダイ。売り上げマージンなどもなく、純粋に出店料だけでした。


「なんか、お得やん」


お金がなかった私たちはノリノリでスタートしましたが、早速集客の壁にぶち当たりました。『太平洋に浮かぶ一隻の小舟をどうやって発見してもらうのか問題』です。


そこで、とりあえず広告でもかけてみるべと、当時「オーバーチュア」という呼称だった現在のリスティング広告にターゲットにしたいキーワードや予算を打ち込んでやってみました。すると、早速売れました!


「え、こんなに簡単に!?」


初売り上げは確か14,000円くらいだったかな?

女性の方からのご注文でした。

広告をスタートしてすぐのご注文に確かな手応えを感じつつ、母、妹、私の家族3人による経営がスタートしました。


素人が作った商品ページではおぼつかないし、ご迷惑をおかけしたくないので、フリーダイヤルでご相談を受けることにしました。特に時間制限は設けず、不在の時も私の携帯電話に転送されるように設定して毎日撮影、ページ制作とお客様対応、商品の梱包、出荷を家族3人で分担しました。フリーダイヤルは受付時間が時間無制限だったため、夜中の3時にお電話いただくこともあり、寝ぼけながら応対したことも何度もありました。


一社からスタートした取引先さまに梱包資材なども分けていただきながら、少しずつ出荷量が増えていきました。初めは私の原付でダンボールをインドネシアの田舎の事業者のように大量に積んで警察に過積載が見つかりませんようにと祈りながら事務所まで往復したのが懐かしい思い出です。


朝も昼も夜もなく、がむしゃらに働いてとにかく生きるために稼ぐんだと頑張りました。

おかげさまで売り上げはうなぎのぼりで、気がつくとマンションの一室に設けていた事務所では出荷ができないほどの売れ行きとなり、引っ越すこととなりました。


2011年の冬のことでした。