先日久しぶりにGS125Eに乗ったのですが、改めてフロントブレーキが効かないことを痛感しました。もうリアのドラムブレーキの方が頼りになるんじゃないかという効き具合。
これはうちのGSに限った事では無く、姉妹車種のGN125でも同じでして、ネットで検索すると同じ悩みが多数ヒットしてきます。
対応策としてはキャリパなどをENとか中華パーツの2ポットに交換する方法があるようですが、正直信頼性や効果に関しては決め手を欠く印象。
安全に関わる場所なので、何か良い方法はないものか...
そこで原点に立ち返ってみると、ブレーキ性能を上げるためには1ポットだ2ポットだとか言う前に、物理的に考えてみるとディスク径を大きくするかディスクを挟む力を強くすれば良い訳です。
ディスク径を変えるのは大仕事になるので置いておいて、挟む力を強くするなら理科で習ったパスカルの原理です。
マスターシリンダーのピストン径を小さくしてキャリパのピストンとの比を大きくすればすれば今のキャリパーでも制動力を強化できるんじゃね?頭いいな、俺!
と思いましたが、調べたらそんなのは普通に一般的なカスタムでした(笑)
という事で調べてみると、GSのノーマルマスターシリンダー径は1/2インチ。
つまり12.5mmよりも小さいサイズのマスターシリンダーがあれば良い訳です。
一般に流通している製品だと、どうやら11mmというのがある様なので、それで試してみたいところなのですが、それを試すために為にわざわざマスターシリンダー買うのもなあ...そういえば、うちのセロー225はどうなんだ?と思いついて調べてみたらこれが何と11mmでした!
幸か不幸かうちのセローは今修復中ですので、パーツを外してテストするにはなんの問題もありません。
想定される問題は
①そもそも取り付け可能か?
②制動力は向上するのか?
③レバーの引き代が大きくなるはずだが使用上問題ないか?
といったところ。
まずはとにかく実際に交換してみることにしました。
こちらは取り外し済みのGS純正のマスターシリンダー。
カップは交換してありますが、とにかく30年以上前のパーツなのであちこち緩んできてるのかキャップなどから微妙にフルードが滲んでるし、交換できるならこのタイミングで丸っと交換できると助かるのですが。
今日の仙台は太陽は出ていましたが強風で、時折雪が霰が飛んで来る天気なので、ガレージ内で作業。
本当はブレーキフルードこぼした時なんかにすぐ水をかけたり対処しやすいので外でやりたいのですが仕方ないです。
作業自体はポン付けに近いので特に面倒はありませんが、両車ではバンジョーボルトのピッチが違いますので、ボルトとマスターセットでの入れ替えになります。セローとGS両車のマスターからブレーキフルードを抜いて入れ替え、再度フルードを充填してエア抜きして完了。
見た目も操作感も、特に違和感なし。
レバーの手応えはいい感じにソフトになりました。というか普通!
これまでは効かないくせにレバーのタッチがパツパツだったのが、ちゃんと握り込めるようになりました。
ちなみにレバータッチがパツパツだったのはANDF(一時期のスズキ車に装備されていたブレーキング時にフォークのボトムを抑制するデバイス)を外してるからだと思います。
本来キャリパ+ANDFを動作させる前提のマスタシリンダに対してANDFが無くなった分の容量が過多になったと推測されます。
それならなおさらマスターシリンダー径は小さくする方が理にかなっているはず。
先にポン付けと書きましたが、ブレーキスイッチの接続作業にひと手間。
当然コネクタは違いますので、潔く元のコネクタを切り飛ばしてギボシをつけて済ませました。
それと途中で気付きましたが、GSとセローでは右ミラーのねじが逆になります。
(GSが順ネジ、セローが逆ネジ)
このままだと元のミラーが付けられません。
そういえば昔使ったアダプターがどこかにあったような...
何でも取っておくもんですね(笑)
一応ここまでは問題なさそうなので、あとは試走して確認してみたいところですが天気が悪いのでまた今度です。
GS125やGN125に関しては今回のブレーキ強化の手法はネット上を見ても見つけられませんでしたのでうまくいったらまた書きます。
成功すれば比較的安価で信頼性の高い方法と言えると思います。
追伸
セローのマスターシリンダーを使う場合は225のパーツは値上がりしてるので、互換性のある現行の250の方が安いそうです。