スーパーカブ110 フロントのヘッドライトやテールランプはエンジンを掛けないと点灯しませんし、アイドリング時はチカチカ明滅していますが、これは交流?
ネットでも情報が錯綜していますが、正解は「脈流」です。
もっとわかりやすく書くと交流ではなく、「直流」です。
発電機から出力される交流を半波整流という方式で直流に直しています。
今回はそれをちゃんと測定した話です。
バイクの灯火をLEDで自作したりする際、電源の素性がわからないと
そもそも回路の設計もできないません。
特にLEDの様に極性がある部品は厄介で、極性を逆に接続すると最悪壊れます。
そこで今回使用する測定器は「オシロスコープ」
何やら難しそうですが、簡単に言えば電圧計の一種です。
ざっくり言えばテスターがその時その瞬間の数値を表示するのに対し、オシロはそれを
グラフ表示で連続的に表示してくれる機械だと思っていただければよいかと。
カブのヘッドライトとかテールランプのようにどうもチカチカして交流ぽいのが来てるみたいだけどLED化しても大丈夫だろうか?
などという場合はオシロで見れば正体が一発判明する...かも。
能書きはこのくらいにして実際に測定してみましょう。
まずはエンジン停止時のバッテリーターミナル±間の電圧。
当然直流ですから電圧は一定(グラフは水平)。
次にエンジンを始動すると充電が始まるので電圧が15V付近まで上がりました。
...ていうか、私14V前提で設計してました...ダメじゃん。
半波整流の脈流で充電しているためか微少なリップルが出てます。
それではテールランプやヘッドライトに来ている電圧はどんな感じでしょうか?
エンジン始動状態でテールランプのソケットにて測定してみました。
そして波形が下向き!!とということはアースに対して約-14Vが来ているということ。
なるほど、発電機から出力される交流のプラス側はバッテリーの充電とか
プラスじゃなきゃいけない用途に使って下側は極性関係ない
白熱灯(ヘッドライト、テールランプ等)に使ってるのね。
知らなかった!
ということで、少なくともJA10型のカブにおいて
ヘッドライト、テールランプ等に来ている電源をLEDに使用する場合は
・通常の接続とは±を逆に接続する
LED等極性のある回路を接続する場合、回路の+側を車両のグランドへ
-側をライン側へ接続すればOK
・交流ではないので正しい極性に接続して、耐圧に問題がないように
回路を設計すれば、逆電圧が掛かることは無いはずなのでLEDが壊れることは無い。
ということになりましょうか。
実際には、回路によってはそもそも脈流がよくない場合もあるでしょうし
ケースバイケースと思われますので、基本的にはご自分で事前によく調べることをお勧めします。