令和5(2023)年11月27日(月曜日)晴れ
いかがお過ごしですか?
一昨日(11月25日土曜日)の午前中、私は日比谷野外大音楽堂の「祝・日比谷野音100周年オープンデー」に行ってきました。
去る10月21日の伊藤蘭さんのコンサートを思い出しながら、普段登ることが出来ないステージに上がったり、楽屋も見学できました。
ステージ中央から客席をみるとこんな感じ
現地でキャンディーズ仲間の「ゆきパパ」さんと遭遇。
彼はステージ上でベースを弾いている写真を撮ってもらうために楽器持参でした。
私は写真を撮ってくれる同行者がいなかったのでトランペットは持参しませんでした。でも蘭さん(のアクリルスタンド)と一緒
楽屋には100周年記念コンサートに参加したアーチストのサイン色紙がずらりと飾られていて、蘭さんのサイン色紙もありましたよ
コンサートから一月以上経ったのに、私は今でもあの日の余韻に浸っているのです。
それでは、10月21日の蘭さんの野音コンサート
祝・日比谷野音100周年
伊藤 蘭
50th Anniversary Tour
~Started from Candies~
特別追加公演
のレポートを再開します。
オープニング・・・ギターリフ
「OPEN SESAME」
「JUPITER」
「PLAY THAT FUNKY MUSIC」
1978年4月4日のキャンディーズ・ファイナルカーニバルのギターリフはとても長くて、あのダークな旋律が27回かな、繰り返されましたが、この日のリフは10回・・・是永巧一さんのギターに、速やかに、地響きのようなドラムス(そうる透さん)と不穏な音色のオルガン(キーボード 佐藤準さん)が重なって、客席は促されなくても手拍子・・・迫力はあるけれどすっきりとまとまったオープニングでした。
小学生時代に後楽園でファイナルカーニバルを体験したアキちゃんはオープニング+3曲のあまりの懐かしさに「涙をおさえながら踊っていた」、とは「悲しきためいき」さん情報。
参考画像:1978.4.4プレイザット
ファンキーミュージックの間奏
の振り付け
蘭さん、プレイザットの「花いちもんめ」みたいな振り付けが懐かしいですね
後半のMCの先取りになりますが、蘭さんはこの開幕の選曲について、大略、次のようなことをおっしゃっていましたよ。
「今回は50周年記念ということもあり、オープニングのオープンセサミという曲から始まり、ジュピターそして、プレイザットファンキーミュージックを1978年の解散コンサートのセットリストからリストアップして歌いました。
あの頃をよく知っている方にも、そして、まだ幼くてコンサートには参加できなかった、家でテレビを見ていた方にも当時のコンサートの雰囲気は「こんなだったですよ」ということを味わっていただけたらと思い(客席のあちこちから「ありがとう」の声)、野音という野外にふさわしいのではないかなと思い準備してきました。」(拍手)
私も1978年の解散コンサートはテレビ観戦組でしたから、このオープニングの粋な演出には本当に感謝しています。私は解散の当時14歳でしたから、もう少し知恵を使い勇気を出せば後楽園に行くことが出来たかもしれなかったのに、それが出来なかったことをずっと悔いてきました。蘭さん、バンドの皆さん、嬉しかったです。ありがとうございました。
「春一番」
そして「プレイザットファンキーミュージック」に続いて「春一番」のイントロが鳴り出したら、前方のAブロック、Bブロックから波が押し寄せるようにスタンディング!
オーディエンスは総立ちで、C・A・N・D・I・E・S ヘイ!
「春一番」ってイントロが鳴った途端に客席のテンションがマックスになるのですよね、もう瞬間湯沸かし器(←たとえが古い)。
東京国際フォーラムでもそうだったし、横浜公演のときなんて「一同起立!」って感じのスタンディングから既にMAXの声援でしたからね。平均年齢60歳以上(多分)とは思えない足腰そして喉の強さ
私たちキャンディーズファンに火がつきやすいのは当然だとして・・・私事ですが地元西荻窪のライブバーでキャンディーズファンではない方達の前で演奏しても(on Vo.アキちゃん、on Tp.筆者)他のキャンディーズナンバーに比べて「春一番」が断然盛り上がるのですよ。
「春一番」ってキャンディーズファンに限られない、日本のスタンダード・ナンバーなのだな、とあらためて思いました。
あとね、この際だから話してしまいますが!
もう放送を終了してしまいましたがラジオ番組の「伊藤蘭 Ran to you」に「伊藤蘭・キャンディーズの曲を聴いて短歌を作ろう・・・蘭歌」っていう、バックに流れる琴の音(ね)もゆかしい人気コーナーがあったでしょ。
あのコーナーの第1回放送にあわせて、私も「蘭歌」を四首投稿しましたが番組では採用されませんでした。で、そのうちの一首が「春一番」に寄せて詠んだ歌なので「どさくさに紛れて」(←後で出てくる蘭さんのMCの口真似!)ここで発表します。
花散らす春の嵐を胸に秘め
きみの街へと恋をしに行く みきお
私は良い歌だと思うのですが、どうですか?
えー、先へ進みます(笑)
ここで蘭さんの最初のMC。概ね以下のような内容でした。
「日比谷野音100周年記念おめでとうございます」(おめでとう!拍手)
野音の100周年記念と、私のデビュー50周年と重なる今年、このステージにお声をかけていただき、今日皆さんとここでお会いできることを本当に嬉しく光栄に思っています、ありがとうございます(拍手)
野音は、皆さんご存じのとおり、私にとっては忘れられない場所です。
キャンディーズ時代に私たちが解散の意思を告げた、そういう場所なのですが、それにもかかわらず、戻ってくることができました。
2年前のここでのステージ、とても感動的なものになりました。
今日も客席の皆さんとこの野音に宿るなにか不思議なパワーに守られているようで
・・・私はそんなにスピリチュアルなものに興味があるわけではないのですが(客席から笑)・・・かけがえのない時間を過ごすことができて嬉しいです。
2年前は(コロナ禍で)声も出せませんでしたから、皆さんももどかしかったと思いますけれど、今日はそんな思いから解放されて、のびのびと、このひとときを楽しんでいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします(大拍手)
それでは、7月にリリースされた3rdアルバム「LEVEL9.9」の中から「Dandy」という曲と「Shibuya Sta.Drivin’Night」という曲の2曲続けて聞いてください。」
「Dandy」・・・蘭さんの3rdアルバム「LEVEL9.9」から、昭和のダンスホールの匂いがする貫禄の1曲。
「Shibuya Sta.Drivin’Night」、「FUNK不肖の息子」、「明日はもっといい日」などの、若やいだダンスナンバーを集めた3rdアルバムの冒頭で睨みをきかせる「大人の恋」の歌です。
「Dandy」はアルバム「My Bouquet」の「秘密」、「Beside you」の「ICE ON FIRE」と続いた森雪之丞さん(以下「森さん」と書きます)作詞の作品。
森さんは私たちを大人の恋へと挑発し続けてこの「Dandy」に至ったわけですが・・・私ね、この曲を聴いて、あるSNSに投稿したのですよ、
「蘭さんは私たちを一体どこに連れて行くつもりなのだろう?」って・・・
蘭さん自身は「大人の恋」についてどう思っているのか・・・蘭ママなら答えてくれるかな・・・?
でも、野音には、蘭ママ来なかったんだよね(この件は後述します、笑)
私は「秘密」には共感できます。そして「ICE ON FIRE」こそ「大人のFantasy」としてよく出来たストーリーだと思います。
だけれど「Dandy」に描かれた世界は・・・「こっそり憂鬱啄み合う」とか、リアルすぎて・・・。
森さんが「粋であれ!」「Dandyになれよ!」と、人生くたびれ加減の私たちを叱咤激励してくださっていることは分かるけれど・・・でもそこに至る道はここにしかないのかな、とも思います。
私は、笑われるかもしれないけれど、これからも「真赤な木の実」(アルバム「なみだの季節」収録)の世界観を大切にしていこうと思っています
「Shibuya Sta.Drivin’Night」
3rdアルバムからの2曲目は12月に7インチヴァイナルが発売される、
「Shibuya Sta.Drivin’Night」。
「7インチヴァイナル」・・・この曲を歌い終わってから、蘭さん自身が「新しいぶっちゃってねぇ~」って照れ笑いしながら告知していましたね。クリアピンクのおしゃれなレコード、発売が楽しみです
さて、この曲については横浜公演の感想を書いたブログ記事にも書きましたが、アルバムを聴き始めたばかりの頃はピンときませんでした。
しかし横浜公演で蘭さんの歌を聴いたとたんに、何故だか・・・やはり生歌・生演奏の迫力ということなのでしょうか・・・突然この曲の素晴らしさに覚醒して、その後は「LEVEL9.9」の収録曲の中で「今」と並ぶ一番のお気に入りになり、通勤電車で、あるいはラッパ練習のスタジオの行き帰りに、毎日繰り返し聞いています。
ある曲とのこのような出会いは一曲について一回限りですから、横浜公演で「Shibuya Sta.Drivin’Night」を聴いた時の感動というか衝撃を野音でもう一度、ということはありませんでした。
だけれども、横浜公演後に浴びるほど「Shibuya Sta.Drivin’Night」を聴きましたから、野音では蘭さんと一緒に心行くまで、この素晴らしいダンスナンバーを楽しむことができました。まあ、私のステップなんてクラゲが漂っているみたいな頼りのないものなのですがね💦
で、「Shibuya~」の途中あたりからだったかな、「あれ、もしかして??」って感じで、ぽつりぽつりと雨が降り始めましたよ
2曲を歌い終わって蘭さんのMC
このMCでは、
①12月20日に「Shibuya Sta.Drivin’Night」のシングルレコードが発売されること、
②扶桑社から蘭さんの初めてのエッセイ本が出版されること、
が告知されました。
上に書いた「ヴァイナル7インチ・・・新しいぶっちゃってねぇ~」はこの際の発言。
蘭さんはエッセイ本の告知も照れくさかったみたいで「50周年記念のどさくさに紛れて出版することになりました」なんて言った後で「えへへ!」と、可愛い照れ笑いをしていましたよ
(なお、11月30日の蘭さんの公式インスタグラムで、エッセイ本のタイトルは「Over The Moon ~私の人生の小さな物語~」、発売日は12月4日、11月30日搬入のため、大型書店では12月4日より前に店頭に並ぶ場合がある、Amazonのみ12月2日発売。と広報されています)。
レコードとエッセイ本の発売の告知を終えた後の蘭さんのMCの続き
さ!どんどん歌っていきたいと思います!3rdアルバムの中からです。
皆さんも踊ったり歌ったり、できるかな~、もう?…聴き込んでくださった方は、できるはずですよ・・・最後の「はずですよ」でちょっと凄みを利かせるのが蘭さんの流儀・・・「ちゃんと授業を聴いていた人はできるはずですよ」って言う先生みたい(笑)
では、聞いてください、「明日はもっといい日」!
「明日はもっといい日」
・・・キレのいいトランペットと「フウフウ」のかけ声がご機嫌な手拍子もひときわ賑やかなダンスナンバー!この曲も好きだな、何か仲間達とわいわい盛り上がっている雰囲気が懐かしくてね!
バーガーインからカーディナルへ駆けたことはないけれど、おしゃれな恋人と缶ビールを飲みながら青山通りを闊歩したことならある。学生時代の美しい想い出だな。
朝までコースで踊った日もあった。
周りは踊りのうまい人ばかりだったけれど・・・スーちゃんのハイトーンが民謡で鍛えられたように、私のダンスは盆踊りで鍛えられていますからね・・・気後れなんかしないで始発まで踊って楽しんでいました。
泣きたい時の親友みたいに
想い出は涙をふいてくれる
そうそう、今を生きることは大事だけれど、楽しかった思い出や美しい記憶はわたしたちを元気づけてくれますよね!
「明日はもっといい日」を歌い終えた蘭さんのMCは、雨脚が少し強くなってきたことを気にしながら、
「なんかポツポツきてますね・・・全然平気?(客席:Yeah!)
ホントに?
急いでやらなくてイイ?(大笑)
大丈夫かな、うふふふ、じゃあ、しっかりやりますね!
(雨が)あがってくれないかな・・・(客席から「あがる」の声)
上がる!ハイ、信じてます!」
ここでメンバー紹介
Drums そうる透
Guitar 是永巧一
Bass BJ
Trumpet 鈴木正則
Sax 竹野昌邦
Perucussion notch
Chorus 渡部沙智子
Chorus 高柳千野
Keybords 佐藤準
雨が結構降ってきたので、このタイミングで座布団代わりに座席に敷いていたストールをバッグに仕舞う。どうせ立ったままなのでね。
横浜や国際フォーラムのときよりもメンバー紹介があっさりしていたので「雨が強くなることを懸念して進行を急いでいるのかな?」と思わされました。でも、この公演には、実は隠し球があったのですよね(後述します)。
「次の曲は佐藤準さんが作ってくださったFunkyな曲に、私が歌詞をつけさせていただきました。この曲の最後の方にちょっとしたコール&レスポンスがあります。お疲れでしょうけれどコール&レスポンスよろしくお願いします。では行きまーす「FUNK不肖の息子」」
「FUNK不肖の息子」
もうね!「FUNK不肖の息子」!これまた大好きです!
横浜公演や東京国際フォーラムではこの曲の演奏の前に蘭さんから、
「夢だけは大きいけれどちょっと大丈夫かしらこの子、という雰囲気の男子の歌です。」
と紹介がありました
「ファンク」+「不肖の息子」とくると、チャカチャカした軽いノリのイメージがあったのですよ。
蘭さんの描き出す不肖の息子がまた「戦いには背を向けて」「ピンクトパーズの夢」とやらを追いかけているナンパでしょ。
でもね、不肖の息子にもいろいろなタイプがあるのだなと気づかされたのが今回の演奏で・・・野音のアレンジはドラムスとベースが深く抉(えぐ)るような後ろのノリ。
キーボードもサキソフォンもパーカッションもアクが強くて・・・同じ不肖の息子でも、へらへらした遊び人というより腕っ節の強いDrums、じゃなくて、ドラ息子って感じでしたね。
あの娘と自由に!
ホンモノの愛を
ナンパの意地にかけて
あざやかに決めるよ
トリックショットでさ
たとえ死んでもずっと
もう離さない
蘭さんがこんな世界を描いてくれたことが、私はもう嬉しくてたまらないんだ!
蘭さんは横浜や国際フォーラムのステージで「皆さんの世代はキャンディーズを追いかけてお父さんお母さんを心配させてしまったような方もいらっしゃるのでは?」って言ってましたよね。
蘭さん僕らを叱ってください
“Hey!What are you doing?”(あんたたち!なにやってるの!!(間奏のセリフ))
かつて「SUPER CANDIES」を絶叫した野郎どもは、今も不肖の息子のままでいます・・・ナンパの意地にかけて
(SUPER CANDIES につづく)