『 限りある命のお産 』 | ウーマンニュース&リアリス公式ブログ

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さてと、みなさまお元気でしょうか。
奴隷小児科医です。

日々新しい命と対面し、ひとりでも多くの元気な赤ちゃんの出産を願っている毎日ですが、なかには
そうでない場合もあったりします。
お腹の中では元気だった赤ちゃんが、産まれてくるときに急にしんどくなったりとかすることもあります。
小児科医として出来る限りの努力はしますが、なかにはどうしても助けられない場合もあるのが現実です。

そういうなかで、産まれる前から赤ちゃんの命が定められているというようなこともあるのです。

私はけっしてかわいそうだとは思いません。
いや、かわいそうだと思ってはいけないのだと考えています。

皆様はどのように感じ、どのように考えるのでしょう。
限りある命のお産を・・・

今回は、5,6年くらい前に大学病院にいた頃経験した、忘れられないお産の話をします。


『その妊婦さんの赤ちゃんは、もともとお腹の中にいるときから肺がほとんど形成されない特殊な病気でした。
 お腹の中にいる間はへその緒からお母さんの酸素をもらって生きていけますが、産まれてしまうと赤ちゃんは
 自分で呼吸できないので、まもなく亡くなってしまうという非常に辛い病気なのです。

もちろん前もって産科の先生からも病気の説明がされていて、お母さんもよく理解されていました。
今の医学では、どうしようもないということもよく理解されていました。

自然に陣痛が来て産まれたら、そのまま赤ちゃんをみてあげましょうということになっていたのです。
  で、万が一赤ちゃんが予想に反して自力で呼吸したら、蘇生するために一応小児科医が立ちあうことになって
 いて、私がその役割だったのです。

 お母さんにとっては非常につらいと思います。
普通は陣痛が来たら元気な赤ちゃんと会えると思うけれど、このお母さんの場合は陣痛が来たら赤ちゃんと「さようなら」しないといけないわけですから。
お腹の中では元気やった赤ちゃんが、産まれてきたら死に別れになるわけですから、心中察するに余りある思いです・・・
  本当に考えるだけで涙が出てきます。

 で、もうすぐ「産まれます」と呼ばれて分娩室へ行ったら、不安そうなお母さんとお父さんがいらっしゃってこちらもとりあえず蘇生の準備をして待ってたら、ほどなくして赤ちゃんが産まれてきました。
赤ちゃんが少しでも泣いたら蘇生すると決めていましたが、産まれてきて一瞬「ほぎゃ」と聞こえるかどうかの泣き声が1回あっただけでした。
 すぐに私のいる処置台へ運ばれてきましたが、呼吸はしていませんでした。
産まれてきたばかりなので、心拍数は弱いながらも聞こえて、命の拍動は聞こえます。
身体もまだ温かいです。

  (ああ、残念ながら蘇生は無理か・・・ 少しでも生きている時間を両親と共に・・・)

  すぐさまお母さんの方へ赤ちゃんを戻して、抱っこしてもらいました。
お母さんは、他のお母さんと同じく初めて我が子と対面したときの、あの嬉しそうな表情・・・
  顔を真っ赤にして、涙を流して・・・
  お父さんも必死で写真やら、ビデオやら撮って、一緒に抱っこもして。
  名前も前もって決めていたらしく、お母さんが

  「○○ちゃん、お母さんの子供として産まれてきてくれてありがとうね。」
「お母さん、すごく嬉しい、身体もまだ温かいね。」

  うすく透き通ったピンク色の肌で、傍からみてるとスヤスヤと眠る赤ちゃんと変わりません。
  さすがに私もグッと胸にこみ上げるものがきて、まぶたが熱くなってるのが分かりました。
  ほどなくして1時間くらいが経過、つらいですが死亡確認をしなければなりません。

  「お母さん、ちょっと診察させてもらいますね」

  自発呼吸なし、心拍なし、対光反射なし、時間を確認。 目を合わせるのがつらいけれど、

  「○時○分、ご臨終です。○○ちゃんは、本当に最後までよく頑張ってくれたと思います。」
  (自分でも声が上ずっているのが分かりました)

  「うわっ~ うっ・・・ うっ・・・」

  「・・・・・・・・・・」

  「先生、先生、 最後まで診ていただいて、本当にありがとうございました」

  両親ともに深々と頭を下げて・・・
さすがに私も自然と涙がポタポタとしたたり落ちました。 もう、どうしようもないくらいに。
  いやというほど無力感を感じました。
  私は何も感謝されるようなことは出来ていない、自責の念に押しつぶされて涙が止まりませんでした。』



医師は病気を治している、命を助けているというおこがましい考えは持ってはいけない。
医師はその人の人生を、少しでもいい方向へ向くように、わずかにサポートしているに過ぎない。
謙虚であれ・・・と。



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