『家族論』の教え/レオン
1400年代のルネサンス期にフランスで活躍
したレオン・バッティスタ・アルベルティという
人がいます。
彼は多方面に才能を発揮し、ルネサンス期
において理想の姿とされた「万能の人」の
最初の典型だとも言われています(それくら
い優秀な人だったのだと思います)。
著書にも『絵画論』・『建築論』・『市民生活論』
などがありますが、有名なのは『家族論』です。
そこにはこんなことが書かれています。
「家の納屋を食べ物でいっぱいにすることは
父親の務めだが、それ以上に一家の長たる
者はすべてに目を配って見守らなければなら
ないし、同居する者みんなを監督したり知って
いなければならない。
家の内外での平生の行動を吟味して、家族
の誰であろうと良からぬ習慣を持っていたら、
感情的に怒るのではなくむしろ理を説いて
それを正し改めさせなければならない。
子どもの美徳が開花するかどうかは父親の
気遣い次第なので、家長である父親は常に
家族全体の安泰と誉に目を向け、一家の
ために尽力すべきだと言える 」
・・・・・・・・・
この『家族論』に書かれているのは
名門貴族の処世術だとも言われています。
王族や貴族が資産を子孫に受け継いでいく
様を「王朝モデル」と呼んだりしますが、
単に「金銭的価値があるモノ」を引き継がせ
るのではなく、「王族・貴族としての気品や
振る舞い方を身につけた美徳精神」を引き
継がせることに意義を見出していたようです。
こうした発想は現代においても、また一般の
庶民レベルにおいても大切だと思います。
この世のすべての富よりも
「美徳」にこそ価値がある!
・・・・・・これこそがレオンの説く「父親が
子どもたちに贈れる最大の遺産」なの
かもしれません。
現実的というよりは精神的なお話ですが、
人として、美徳の心を持つことは大事だと
思いますし、それを幼き頃から家で家庭
教育(≒躾)をキチンとしておくことは
とても重要なことだと思います。
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