愚者は自分の経験でしか物事を判断しようとしない
サイコロを振って目が1と出た後、もう一度
サイコロを振ったらまた1が出た・・・。
そんな経験だけを持つ人は、「自分がサイ
コロを振ると100%の確率で1が出るものだ」
と思い込み、ひどいときは「このサイコロは
1しか出ない」と本気で信じ込むようになった
りします。
そして、それは「自分の経験に裏付けされた
ことだから正しい/自分は間違っていない!」
と自分を正当化します。
ところが、サイコロのどの目が出るかは等しく
同じ確率であって、すべて6分の1の確率です。
たまたま2回しか振らないときは同じ目が出た
としても、2百回、2千回、2万回・・・と振って
いくと、どの目も6回に1度の頻度で出ること
に気づけますし、この理論は正しいと思います。
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人生を20年・・・30年・・・40年しか生きて
きていない人は、その自分の知りうる範囲の
経験値で物事を判断しようとします。
それが当たりの場合もありますが、
ハズレの場合もあります。
たまたま自分が経験したときにはそうだった
かもしれないけど、社会全般的にはそれは
例外に属することであり、多くの場合には
別の結果になる・・・ということはいくらでも
あります。
要は「自分が知らない/体験していない」
だけの話です。
たとえば、何かに悩み誰かに相談をするとき、
その人がその道のベテランでもない限り、
相談を持ち掛けたところで「根拠のある十分
な指標は得られない」ものです。
たいていの場合は、あれやこれやと説得され
てしまって、出鼻/やる気をくじかれることの
ほうが多くなります。
賢者は、自分の経験だけで物事を判断しよう
とはしません。
多くの人のケースを加味して、総合的に判断
しようと努めます。
カッコよく言うと「歴史に学ぶ」です。
サイコロの例で言うと、2万回・・・と振った
例が歴史です。
2回しか振っていない例は自分だけの
経験値です。
かつてドイツの宰相ビスマルクは「愚者は
経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と言いま
した(←ビスマルクの言いたかったことは
「他者の失敗からも学べるのが賢者だ」と
いうことのようです)。
自分の経験値がいったいどれほどのもの
なのか!?・・・と自分を謙虚に受け止め、
その経験値が100倍になったらどういう
「答え」が導かれるだろうか?・・・と考えて
みる姿勢も大事だと思います。
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