- 冒険の国 (新潮文庫)/桐野 夏生
- ¥380
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永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。特に、弟の英二と妹の美浜は、強い絆で結ばれていた。が、ある日、 一人が永遠に欠けた。英二が自殺したのだ。美浜は、欠落感を抱えたまま育った街に帰って来る。街はディズニーランドが建設され、急速に発展していた。そこ で、美浜は兄の恵一に再会する。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。
というのが感想の第一声だなんてなめているのか私。
バブル前夜、まだ開発途中のあのへんを舞台にした話。
今ではいわずと知れたディズニーリゾートがある浦安。
けれどこの話の中では未だうらぶれた・・・というか、
東京からひとつ取り残された場所という位置づけで描かれている。
(と思ったら、これは”取り残された家族”の話とあとがきに書いてあった!あわわ)
バブルがやってきて日本中が浮かれて、オッシャレ~な生活に憧れるのはまだ先の話で、
メンタリティ的にはまだ「ALWAYS 三丁目の夕日」という時代。
取り残されるものかという焦り、このままで構わないという諦めが混ざり合い、
団地の中で、勤め先で、よその人間とのかかわりが生まれていく。
その皆が抱える焦燥感。
そして、町が、人が捨てきれない過去に暴力的に侵入する、
「最先端」という名のアメリカ型レジャーランドを思い浮かべるとき、
同時にメインキャラクターの笑顔が頭をよぎる。
完全に人の手によるエンターテインメントは、あるべき未来の娯楽なのか。
駅をはさんで反対側のマンションに、以前仲のよかった友達が住んでいるので、
この話がやけに真にせまったものとなった。
ところで。作中で
「ディズニーランドのコンセプトしってる?」
という会話が出てくる。
「ひとの夢はおわらねえ!」・・・・・は黒ひげですが、
「想像力がこの世に存在する限り、ディズニーランドは完成しない」
だと思っていたのですが、違うのね。。。
「エクスペリエンス!(素敵な発音で」らしいです。
最近行ってないなあ。パリのディズニーはたのしかった。
絶叫マシーンとお酒がさいこう。
ちなみに↑なことかいてるけれど、ディズニーはわりと好きです。最近行ってないけど。
パレードはファンティリュージョンのディズニーヴィランズパートが好きだったのになくなって哀しい。
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