F-5シリーズ「真のラスボス」、X-29です。
まるでSFに登場しそうなその姿に子供の頃は夢中になりましたね。
ステルス技術が確立される以前の
「当たらなければどうという事はない」
と言う、機動を重視したコンセプトの元に開発された研究機です。
実験機(研究機)は試作型しか作ることはできませんから、当然開発はゼロからのスタートになるわけですが、このX-29は費用と時間のコストを抑えるために、胴体はF-5(F-20)、脚部はF-16、エンジンはF/A-18から流用されています。
元々流麗なF-5の機体デザインが使われているので、カッコいいわけだ。
3重のフライバイワイヤを持つなど、よほど特殊な動きが出来たと思われます。
ちなみにアメリカの実験機(研究機)は「Xプレーン」と呼ばれ、機体名が全てXから始まります。
セオリー通り、コクピットから作ります。
この辺はタイガーシャークと同じかな。
実験機なのでデータ収集/送信用と思われるアンテナがてんこ盛り。
赤丸がアンテナ、青がランナーあと。
間違えないようにマジックで印をつけています。
合わせ目消しとパネルラインの処理。
凹モールドなので、消えそうになったら彫り直すを繰り返していきます。
動翼部分を切り離して、模型に動きを与えます。
画像は翼の下面(裏面)部分。
実機の写真なんか見ていると、この楕円の部分(赤で囲ってある部分)は、エルロンを動かすためのアクチュエーターが入っているようで、翼の形状が特殊なために外付けにしてあるっぽい。
アクチュエーターの動きに合わせて稼働するカバーか何かだと思う。
切り飛ばしたエルロンを取り付けるのに邪魔なので削ってしまいます。
裏側なので見えないしね。
切ったエルロンが分からなくならないように印をつけています。
翼の合いはなかなか良い。
特に修正などはしなかった。
特徴的な昇降舵も切って角度をつけてます。
本体の合わせ目は割と目立つ。
タミヤの白フタを結構はみ出るように塗ったつもりだったのだけれども、合わせ方が甘いのか合わせ目が引けてしまっていた。
他の部分の塗装に使ったシルバーを吹いて、合わせ目の消え具合を確認しながら作業します。
「捨てサフ」などと呼びれていますが、凹凸が分かればそれで良いのです。陰影を強調しやすいのはシルバー、グレーの他、つや消し系が良いのでは。
後々のパテなどの食いつきも考えてサーフェイサーを使うのでしょうけれども僕はそこまで考えません。
ヒケなので溶きパテで埋めて均す、を繰り返します。
インテークの取り付け。
パーツの上部とツライチにするために、赤で線を引いた部分にのみ接着剤を付けて、慎重に合わせながら取り付けます。
裏側。
青で線を引いた部分は接着剤は付けてません。
三次面のどちらか一方に「遊び」を持たせることで接着時の歪みを防ぐ手法です。
通常は、すべての面に接着剤を塗ってピタリと貼り合わせるのですが、接着剤が乾いたときに「逃げ」がないために歪んでしまうんですね。
その歪みを防ぐとともに、修正箇所も少なく出来るという寸法です。
航空機模型では常套手段のようで、こういったアイディアを教えてくれる先人たちには頭が下がります。
また飾って見えない部分を妥協点にすることで、精神的にも楽になり俄然作りやすくなりますね。
この辺りの考え方は人それぞれかと思いますが、僕は見えないところは出来るだけ手を抜くようにしています。
特に大きくずれたりはしていないので、これで良しとします。
カナードは、インテイクと本体(吸気ベーン)を貫通するようになっているのだが、なんと穴の位置が合わず入りません。
やはり一にも二にも仮組みって事だね。
こういう所がまだまだだよな。
どの道、インテークの取り付けを重視したので善後策を考えます。
色々考えた結果、ストンと入るようにするには、取り付け側の形状をテーパーにしてやる事にしました。
木工の「ダボ」の作り方と同じ。目標とする貫通穴が多少小さかったりずれたりしていてもこれなら入りますね。
青(右)がノーマル、赤(左)が削った後。
接着しないで差し込むだけにしたいのでこのような処理になりました。
接着する場合は短く切っても良いんじゃないかな。
ビシッと入りましたね。
満足です。
切り飛ばした動翼などを仮組み。
やっぱり動きが出てイイね。
(つづく)