Yahoo!ニュースのこの記事とコメントが面白かったので紹介します。
元キャリア官僚「結局、文科省が悪い」論に本音、降り注ぐ教育改革への向き合い方 学校がもっと「しなやかでしたたか」になるべき訳
元記事は、東洋経済education × ICTです。以下にそのリンクも張っておきます。
この記事を、ものすごく短く要約しますと、
日本の学校現場が苦しいのは、教育改革が次々押し寄せる中で、教師に必要な「カネ・ヒト・盾・自律性・成長機会」のリソースが不足しているため。文科省や政治の構造的課題も影響しており、現場と行政の連携と工夫が求められる。
といった内容です。リソースの不足は政治や社会課題に原因があるんい、「結局、文科省が悪い」と言われるのは不本意だ!と仰っているわけです。
この記事に対して、コメントが大量に寄せられていますが、「現場の教師にあまりにも時間がない」、「学校や教師に権限が与えられていない」、「官僚は現場を知らなさすぎる」、「いろいろ詰め込みすぎ」などの意見が目立ちます。その通りです。
学校現場に入ると、数十年変わらない姿のように見えます。小中学校のあの独特の雰囲気は、私が通った学校の記憶と大きく違いません。
しかし、本当の深刻というのは、それが深刻であればあるほど、隠されてしまうものです。
その隠されたものの内側に入ると、常識では考えられないような状況にあります。
例えば、当社がデジタル教科書の開発を手がけ始めた10年前から、現場のご意見をお聞きしたく、お付き合いをさせて頂いていた小学校、中学校の先生方は、今は全員退職されてしまっています。年齢は20〜40代で、たいへん精力的に活動されていて、教師という職業に誇りと愛情のある方が多かったのですが、非常に残念です。ここ3〜4年の間に、次々に退職のメールが届く状況でした。
1970~80年代に採用された教員が大量退職していることによる「ベテラン」の減少、新任教員の精神疾患、心身不調などによる退職、長時間労働などを理由とする若手教員の退職。こうした問題はニュース等でよく見かけますが、その実体をリアルに体験すると、恐怖を抱くほどです。
教育改革どころではない。すぐに手を打たないと、日本の優れた義務教育のシステムが崩壊してしまう。と思うわけです。
しかし、小中学校にお子さんを通わせている方が、学校現場に入ることなど、年に数回程度で、PTAの役員のように学校に行く頻度の高い方々でも、こうした現場の課題を目にすることは、極めて少ないことでしょう。だから、身近な問題として認識されにくく、「あらー、先生も大変だねー」程度の感想で終わってしまうことから、大きな社会課題として、大勢が認識するに至っていないという点が、一番の問題なのではないかと思うのです。
結局、文科省が悪い。
いや、政治の構造的問題だ。
現場の対応力の問題だ。
いろいろ意見も感情もあるかと思いますし、問題の根源を他者に委ねたくなるほどの、危機的状況であることも確かなのですが、しかし、まずは、この私たちの社会の将来に関わる大きな問題を、多くの方に知ってもらう必要があるのではないかと思います。
昨今、お米の高騰が、私たちの主食の生産や流通に巨大な問題があることを、認識させるに至っています。
認識する人の数が増加すれば、底からも、天井からも、あらゆる方面から、必ず変化が起こります。そう信じています。
SNSなどのニューメディアに期待したいところです。
あまり考えたくないですが、小中学校での授業が成立しなくなったとき、つまり、1人の教師が1学年を担当するなどといった事態に至ったとき、どうするかを考える必要があり、それは、当社のような立場でも考えることは可能です。
やはり、完全にデジタル化して、物理的な制限を取り除くことです。教師の指導を動画配信したり、オンラインで個別指導をしたり、AIとのやりとりで学習計画を立てたり、といった方法が有効です。
良い悪いではなく、もはや、こういった方法しか取ることができない状況に向かいつつあるのは事実です。
こうして選択肢がなくなってゆくまえに、社会全体の認知が進み、あらゆる対策が前進することを望みます。
当社では、なってほしくない未来に向けてとなりますが、学校教育の完全デジタル運営を視野に、研究を進めています。

