乱歩の理想郷(パノラマ島と地下帝国) | 川崎チャーのブログ

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映画、(特に007シリーズ)、プロレス、特撮、芸能人等の思い出や出来事を中心に書いていきます。その他にカレー、あと、どーでもいい話も含む(笑)。



発作的に江戸川乱歩作品が観たくなる時がある。



久しぶりに天知茂主演の美女シリーズでもいいね!


とは言っても天知版の美女シリーズは全25作あるから、さて何を観ようか…?


選んだのは人気の高い第17作目の『天国と地獄の美女』!



原作はあの『パノラマ島奇談』。




まずは何度観ても明智小五郎の冒頭の挨拶にはブッたまげる!









1982年の正月…




「あけましておめでとうございます。」


「明智小五郎です。」


もう、ラッシャー木村の「こんばんは」並みの衝撃を受けたね(笑)?



明智「今回は私の手がけた事件の中でも一番スケールの大きい、そして一番恐ろしい物語をお送りします。正月の夜をごゆっくりお楽しみ下さい。」



3時間のスペシャル放送の中、血だるまの死体、エロス、墓場、地獄の谷… 本当に正月番組かと思うほどの内容だ!?


怪人二十面相、黄金仮面、黒蜥蜴、蜘蛛男たちのような強敵は登場しないのだが、とにかく作品のスケールはとてつもなくどデカいのだ!



なんせ、夢の理想郷を作る事に取り憑かれた芸術家の男が、インチキ宗教の教祖にそそのかされ、大富豪家に化ける事に成功して、300億円かけてパノラマ島を作っちゃう話だからね。





鬼島とよばれる無人島に完成したパノラマ島。


エレベーターは100メートル下の海底で止まり、一歩出てみるとそこはもう夢の世界だ!





海底の中で水族館があって、優雅に美女の踊りが見れる(もろに水中バレエ団・笑?)。



先に進むと、


そこには海底なのに地上の世界が!



リモコンひとつで夜の世界もなんでも作れるのだ。





伊豆シャボテン公園にそっくりな(笑)、植物園を通過して、その先のジャンルをボートに乗って進むとバナナの木、恐ろしいワニが見えてくる…


って、もろに熱川バナナ・ワニ園だろ(爆)!!


夢の楽園、パノラマ島はスケールは大きいのだが、それに比例してかなりチープな感じが逆に魅力的な作品なのだ。


当時はCGもない時代だしね。



そしてさらに進むと、そこにはエロスの園。



早速、美女ダンサーが出迎える。






この物語の主役の美女(叶和貴子)は、


パノラマ島の女王となる。



しかし、犯罪を重ねて作ったパノラマ島にはとっくに明智小五郎が変装して潜入してたのだ。



悪党たちは銃を向けて明智を地獄の世界へと誘い込んだ。


処刑の谷には針の山、地下溶岩、硫酸の池がある。






明智小五郎、危し!!


その後、明智は硫酸の池に沈む…(もちろんトリックがあってヒーローは無事だが。)



なんだかんだで最後はパノラマ島の女王となった美女が


最後に選んだ見せ場は、、、







なんと、


人間花火となって、人工の夜空へ飛び立つ!


空から降る血の雨…


それにしても叶和貴子の熱演は、素晴らし過ぎる!

美女シリーズのヒロインの中でも、I、2を争う大サービスぶりだ!


何が大サービスって、観た人だけが分かる(笑)!!




その他、乱歩のテレビドラマでスケールのある話といえば、



『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』も見逃せない!


※ ちなみにジャケット右上の不気味なメイキャップの俳優さん(花巻五郎)は、自分が若い頃に勤めてた職場の先輩だった人(笑)!



さて、こちらの乱歩シリーズでもっともスケールの大きい作品は、第24話の『拝啓、地下帝国殿下』だろう(原作は大暗室)。


こっちもスケールが凄い!


なんせ大都会、東京の地下に巨大な理想郷を築き、帝国化しようとする男が登場する。




そして、地下帝国殿下の周りには美女、美女、美女!



この大悪党を演じたのは、山本耕一!



「そーなんですよ、川崎さん!」


あっ、ちょっとギャグが古いか(笑)??



ちなみに大銀行、国会議事堂、警視庁、東京駅の地下にいくつかの地下帝国を作ったと豪語した悪党は、地下帝国を探そうとヘタに掘り当てると振動によって爆発物で地下が吹っ飛び、東京の街は粉々になってしまうらしい。



そして、この地下帝国にもやっぱりあった、


夢のユートピア(爆)!!!




と、話のスケールはデカいのだが、1時間番組のために最後はあっけなく、明智小五郎が全てを解決する。



こっちの明智小五郎は滝俊介。


この人の明智小五郎は、あまり変装はしないところが逆にいいね!


パノラマ島も地下帝国も現在の技術で再度、ドラマ化してほしいなぁ。



乱歩作品以外では、身勝手な野心で理想郷を夢見て、なおかつ美女も大好きな宇宙規模のスケールを誇る悪党が007 シリーズにも登場する。



久しぶりに『007 ムーンレイカー』も観たくなってきたよ(笑)。