邦題 『冒険者たち』 
監督 ロベール・アンリコ
音楽 フランソワ・ド・ルーべ 
出演 アラン・ドロン、リノ・バンチュラ そして、新星ジョアンナ・シムカス
ロケ地 ラ・ロシュエルのボワイヤー砦
製作年 1967年 仏映画
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名作です。ドロンとバンチュラという二大俳優に、新人のシムカスが絡む。
彼女はこれ一作で映画史に残ったね。
確か彼女は、米俳優のシドニー・ポワチエと結婚したと思うけど、今も幸せなのかしら?

強面のリノはこれまで悪役ばかりが目立った人だったけど、この映画で新境地を開いた。
レティシア(シムカス)は、マヌー(ドロン)に愛されながら、ローラン(バンチュラ)に魅かれる。
ドロンはレティシアの気持ちを知り、リノはドロンの気持ちを知る。
撃たれて虫の息のドロンに、『レティシアはお前と住みたいって言ってたぜ。』と言うリノ。
『嘘言え。』と笑うドロン。男の友情が炸裂する名シーン。
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とにかく音楽が心に残る。作曲は当時新人だったルーベ。
音楽学校にも行かず、独学でシンセサイザーなどを駆使した実験的作風らしいのだけど、
このテーマ曲以外は知らない。でも、このテーマだけで名前を残した人。
惜しくもわずか36歳でスキューバーダイビング中に死亡した。

改めて観て、オリジナルの『ルパン三世』は、
この映画をはじめとして仏映画を随分参考したことがよ~くわかった。
口笛ミュージックの先駆者は、ルーべだったんだね。
ルパンの音楽担当だった山下毅雄も口笛が得意で、
サントラに入っている口笛は山下自身のものだけど、アイデアの源は『冒険者たち』だったんだ。
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男二人、女一人の微妙な関係も描かれていて、
こんな素敵な二人に愛されるレティシアになりたいと思った人は私だけではあるまい。

3人が発見した財宝を横取りにきた連中と銃撃戦の末、流れ弾に当たり亡くなった
レティシアに潜水服を着せて水葬にするシーンは、映画史に残る名シーンのひとつだと思う。

そして、誰もが行きたくなるのが、レティシアの故郷とされるラ・ロシュエルのボワイヤー砦だ。
旋回しながらの空撮に、ルーべのテーマがかぶさり、美しいことこの上ない。
今もここを訪ねて観光客が訪れるというが、本当に田舎なので行き難い。
一度は観ていただきたい名作です。
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『冒険者たち』はシネフィル・イマジカで観たものです。
ここは古今東西の名作映画ばかりを厳選しているのでハズレがありません。
特に観ていただきたいのが『ショート・ショート』です。
世界の若い監督たちの平均15分程度の短編をばかりを集めているのですが、
わずか15分だけに脚本が練りに練られています。
ここから未来の名監督が生まれるのでしょう。是非ご覧ください。