前回の続きです。
では、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか?
お子さんにもよりますが、一番早くて3歳からです。それ以上早いと、逆に弊害もあると思われます。
誕生してから3歳の途中までは、子供らしく過ごして欲しいです。最近では、子守りのためにスマホでYouTubeの動画などを見せる方もおられるようですが、そういうことも必要最小限にして欲しいのです。
できるだけ、親子の触れ合う時間を、大切に過ごして欲しい。そしてその時間に、何か教えなくちゃとか、こういう風にしなくちゃ、なんてことは考えずに、お子さんに寄り添いながら、お子さんとの時間を純粋に楽しんで欲しいのです。
世の中には子育ての情報があふれ返っていますし、それらにアクセスすることも簡単になってしまったために、頭の中がそんな情報でいっぱいで、肩に力が入りすぎて「最高の子育てをしなくちゃ」と、毎日神経をすり減らすようなことになっては、本末転倒です。
誤解を恐れずに大胆なことを言えば、子どもは放っておいても育つのですから。
ですから、ただ寄り添い、見守り、お子さんの反応をうれしく楽しく受け止めて、大切な一瞬一瞬を楽しんでいただけたら、それがお母さん・お父さんからお子さんへの大きな素晴らしいギフトになるのです。
3歳からと書きましたが、3歳といっても最初と最後とでは、お子さんはものすごく違います。だから「できるだけ早く!」なんてあせることもありません。4歳になってからでも間に合います。
これを読んでいただいている方の中には、「うちの子、もう5歳なんだけど。」なんて方もおられるでしょう。何歳からでも、やりようはあります。
お子さんは一人ひとりみんな違う、それぞれにかけがえのない存在ですから、本当は一人ひとりオーダーメイドなのです。
そのすべてをここに書くことはできませんから、これから書くことは一つの例としてとらえてくださいね。
それと、意外に気付かれていないことで、とても重要なことがあるのです。
継続性です。
幼稚園などで、小学校過程を先取りして、足し算・引き算のみならず、九九が言えて掛け算ができる、などというお子さんが少なからずいます。
幼児教育などで、余りのある割り算のひっ算までできるようなお子さんもいます。
そのこと自体を批判するつもりはありません。だってそれは素晴らしいことなのですから。
けれど、その先をイメージしてみてほしいのです。
小学校に上がって、授業が始まると、義務教育(最低限の教育と、かつての文科大臣も答弁されています)ですから、最初から始まります。私学の小学校などで、最初は飛ばしたり、進度が早かったりはあるにせよです。
お子さんはどうなるでしょう?
小学校で九九を覚えるのがいつかご存知ですか?
割り算のひっ算(最初は余りがないものをやりますが)の授業はいつになるでしょうか?
九九は普通、2年生の2学期です。割り算のひっ算は4年生の1学期。
そのころまで、小学校とは別のところで、そのまま「学び」(広い意味ではなく、幼稚園からやっていた小学校の内容の「学び」)が続いてゆけば、お子さんの認識も「小学校とはそんなところ」ですむのかもしれません。
けれど、小学校の課外活動や、スポーツ系や芸術系の習い事など、いまの小学生は忙しい。
するとその「学び」は、大きく停滞します。もしくは中断されます。
文科省のカリキュラムは、義務教育(イコール最低限の学びといってよいと思います)というしばりがあるために、小学校においては非常にゆっくり進みます。中学校になれば、それなりに加速しますが、義務教育のしばりがはずれた高校になって、劇的に加速するのです。そして、大学受験はその先にあります。
幼児期にせっかく加速した「学び」が滞ったり、中断してしまうのはもったいないですよね。そして、それだけで済まないところが問題なのです。
小学校に通ううちに、お子さんが知らず知らずのうちに、ああ「学び」ってのはこんな楽なものなのか、こんな簡単なものなのかと、認識してしまうことが、あとあと大きな問題となる。
大変で苦しいより、簡単で楽な方が、よさそうに思われます。
けれど幼少期において、強いられるのではなく本能で、自ら進んでワクワクしながら、自分の限界に近いところで、大変なことを大変とも思わずに楽しんでいたお子さんが、小学校に通う間にそれを忘れて怠惰な方向へ大きく変わってしまう。
そして、中学校に上がり(場合によっては高校に上ってから)もういちど「幼少期のワクワクする状態」に戻れるかというと、そこがなかなか難しい。
だから、幼少期に加速したなら、そのまま無理のないペースで学び続けた方が、絶対によいのです。
このことを感じて、小学校の低学年から、大手の「中学受験指導塾」に通わせる親御さんがおられますが、それはそれでまた、いろんな弊害があります。(大手の「中学受験指導塾」を批判しているのではありませんが。)
次回はそのあたりを。。。
あなたのお子さんの中学受験が、幸せで実り多く、長持ちするものとなりますように!
心の友である小島さん・前島さんのされている
Clubhouseのルームに私も生徒として参加しています。
興味のある方は、聞きにきてください。
毎週水曜日の夜10時からです。