年末に読んだ7冊 | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

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土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!

この二ヶ月くらいで読んだ本、7冊はこんな本。



ノンフィクション作家の佐野眞一さんの
「あんぽん 孫正義伝」
である。あのソフトバンクの孫正義さんの、いや、父方、母方の先祖まで調査してまとめた渾身の一冊。
「あんぽん」とは、孫氏の在日として苗字が「安本」(やすもと)であることからのかつてのニックネーム。そこからして知らなかった。孫正義さんは、幼少期は韓国で食い詰めた両親が命からがらなんとか博多周辺に住み、養豚と密造酒づくりの極貧生活を朝鮮部落の中で育った。激しい日本人からの差別にも合いながら。しかし、今や世界のソフトバンク、孫正義さんであり、その落差は凄まじい。その今と原点を繋ぐ稀有な一冊。あまりにおもしろく割と一気に読んでしまった。衝撃的な一冊です。




蔵前仁一さんの
「旅で眠りたい」
はアジア大陸横断紀行、旅本である。基本は日本からアフリカまで行く道中のトルコあたりで話は終わるが、なかなか単調でない複雑な旅先。アジア各所において、生来の歴史遺産や史跡が好きから、時々ルートを外れて好きに場所に行く。奥さんも一緒というのがすごい。いわゆるバックパッカー旅はとにかくアクシデントが多い。アジアは気候的にも気分的にもゆるやかなイメージだから、なんとなく幸せそうな旅の情景が伝わってくる本です。あ、インドの暑さは殺人的なようですね。



有川浩さんの
「倒れるときは前のめり」
は小説家有川浩さんのエッセイ。有川浩さんは高知県の出身とか。私は有川浩さんの本は、わが県の観光のことを書いた「県庁おもてなし課」という、ちょっと変わった部署のことや県内のコアな県内観光スポットを取り上げた内容だから、その小説しか読んだことはない。小説「県庁おもてなし課」は映画にもなり、私はちょうど映画に登場した仁淀川町で地域支援の仕事をしていた時と同時期だったので映画も観た。ふるさと高知の話題、エッセイはしんみり来る。まさか、自衛隊が好きとは意外だ。私は防災の仕事をしていた際は自衛隊ヘリに乗ったことも一度あるが、かなり、怖かったな、もういいかな、あれは。はい。ああ、思い出してしまった。




群ようこさんの
「またたび読書録」
である。各話題につき、その内容にからんだ一冊を紹介しているエッセイです。もう何冊も読んだ群ようこさんのエッセイ。今回も軽妙なおかしさに満ちた本でしたが、紹介されは本のうち、「読みたい!」と思った本は一冊しかなかった。それは、ホッファーの「波止場日記」だった。いつか読みたい。しかし、この本エッセイの話題に時折、話題に貫いて、実の母親の浪費、買い物話がよく出てくる。娘である群さんのツケでビシバシと躊躇いなく買うところが痛快である。また、家づくりにも多いに口挟む、元気なお母さんが登場するところが好きである。




司馬遼太郎さんの

「歴史を紀行する」

は司馬遼太郎さんが日本各地、それも歴史的に尖った感のある土地を巡った旅本である。日本は長い、意外に広い。人間性、文化や考え方の違いを歴史から考える旅。答えは出ない。いや、司馬遼太郎的には出ていたのかもしれない。旅先はまず、土佐!が筆頭に登場すり。おお、やはり、わが土佐か。坂本龍馬を産んだ地である。嬉しくなる。土佐人の異様さ?に興味を持たれて好いてもらっているようだ。あと、会津若松、滋賀、佐賀、金沢、京都、鹿児島、岡山、盛岡、三河、萩、大阪である。日本人は多様だ。





落合博さんの

「新聞記者、本屋になる」

である。読売新聞に勤め、まさかの定年前58歳で脱サラ、新刊本屋に転身、転職である。本書は新聞記者時代から本屋転身の心の動き、本屋になるための準備、開店までの店づくり、開店後の営業など詳しく書いている。しかし、定年後に本屋かあ、私もやってみたい気はする。しかし、その経営は難しいだろうことは容易にわかる。著者は私と似て、読者経験はまあ、40才くらいからで、別に本に詳しいわけでも、好きなわけでもないらしい。新聞記者時代は政治経済と言うよりは地方記事、スポーツ関係に力を発揮した記者であるようです。なにか、本屋へ向けた想いがあったのか、全体を読んでみたがよくわかりません(笑)しかし、組みたい紙面を作るように?素晴らしい店を作る著者は本屋に賭けている。行ってみたい本屋は東京らしい。簡単には行けない。我が上町に本屋作って欲しい。





桜井哲夫さんの

「手塚治虫 時代と切り結ぶ表現者

を読んだ。あの日本史に残ると言いたい我らの漫画家、手塚治虫さんの伝記である。著者は冷静だが相当、手塚治虫ファンだ。嬉しくなる。わたしは正直、作品の大半は読んでいないかもしれないが、「火の鳥」「ブラックジャック」、「三つ目が通る」は三大お気に入り漫画で、子供の頃から何度読み回したかしれない。あとはつまみ食い的に読んではきた。中でも特に「ブラックジャック」は大好きで、各話とも何か人間、人として学んだと思う。最近、わが家の小3長女も全巻読んでいた。難しい病名や人間関係など出てくるので、たぶん、よくわかってはいないだろうが、ピノコの誕生、ブラックジャックの顔のキズや皮膚の色など、物語より興味を持っていたようだが、それも分かったことだろう。しかし、手塚治虫さんの描く変なキャラ「ヒョウタンツギ」に興味を持ち、また、「おむかえでごんす」というキャラは長女曰く、「スパイダー」とネットで調べたらしい。なんだそれは、知らなかったぞ。ありがとう、教えてくれて。



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