水島新司さんの「一球さん」全14巻を読む | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

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さて、前回までの水島漫画を読みシリーズも中盤である。ドカベン48巻、球道くん19巻に続き、今回は
「一球さん」全14巻
を読んだ。

少年サンデーに連載された一球さん。1970年代である。連載開始時期はドカベンの後、球道くんの前くらいの水島新司さんの絶頂期だろうか。3作が同時並行していたんじゃないかと思う。

この漫画「一球さん」は、西東京にある巨人学園という私立高校を舞台とした甲子園を目指す球児たちのストーリー。しかし、「ドカベン」の爽やかさも、「球道くん」の迫力もない。あるのは主人公真田一球の底抜けに明るい性格と野球オンチからくる爛漫さ。巨人学園の他のナインからはやや疎んじられ、厄介がられながら、野球を学んでいく。あまりに執拗な内紛的ストーリーにちょっとうんざりもする気がした。

しかし、そのちょっとドロドロしたやりとりは、ひょっとしたら、当時の根性野球、高校野球に一石を投じた作品なのかもしれない。なにかを欠いた野球部、高校生たちに喝を入れた一球さんかもしれない。

いっぽう、真田一球の身体能力は並外れていて、もはやプロ顔負け。それ以上に精神力はとても高校生ではない。そんな一球さんを巨人学園は招き、改革をしようとトライした人間模様な作品である。本作品は水島新司さんの「男ドあほう甲子園」の続編でもある。


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