数学者、藤原正彦さんのエッセイである。
「若き数学者のアメリカ」
私にとっては2冊目となる藤原さんの本。
この本は、著者の初のエッセイであり、内容は
1970年代前半に体験したアメリカ留学の話である。
数学の先生なのである。
どうもハマった感がある、この人の本に♪
経路はけっこう複雑にはいり、ハワイ、ラスベガスと
経由し、ミシガンのキャンパスへと落ち着くが
そこである種の灰色の時代が来る、そして、フロリダへ。
さらにコロラドへ最終的に行くわけですが
なかなか単純ではない。面白いし、ためになるぞ。
また、とっても人間らしいひととなりにうれしくなる。
数学というなんとなく無機質的な型通りみたいな
学問をやっているのに、なんだかとても柔らかい。
最終的には、ある種のアメリカを発見していく。
人とのつながりや愛を感じていく人間観を見いだしていく
様や人種や言葉、それらから日本人としての自分をも
見つめ、躍動する体験記である。
印象的だったのは
ラスベガスでのカジノ
フロリダで出会った青い目の美しい少女
アパートメントの子供たちとの交流
ユダヤ人の生徒、その評価的思考
ベトナム帰りの大学生
珍妙な遊びストリーク
SEE YOU!