プーラン・デヴィさんの「女盗賊プーラン(上下巻)」を読みました! | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

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土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!

今回は立花隆さんの著書「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」


で紹介されていた本の中から読んだ本である。

プーラン・デヴィ(訳・武者圭子)さんの
女盗賊プーラン(上下巻)
を読みました。






立花さんの本中でも「すごいとしか言いようのない本」
と書かれているが
本当にすごいのである。
しかも、これが現実なのである。

彼女は字が書けないから、この本の出版は彼女の体験を彼女自身が語り、
ついに書籍化された本である。

インドの低カーストの家に生まれた彼女の人生は
波乱に富んでいる。ことばでは言い表せない。
わずか13歳で結婚させされ、かずかずの夫からの虐待の末に
婚家を追い出された彼女は
普通ならいわれの無い差別と虐待をまわりから徹底的に受ける。

カースト制の恐ろしさ、差別が、このインド農村部では日常的に行われ
ている現実は彼女自身のこの体験を通じてズンズンと伝わって来る。
レイプや幼児結婚などが当たり前に行われている。。。。
普通の低カーストの女性なら、それら差別的扱いを受けて人生を終わる
ところを彼女はこの理不尽な多くのことに「怒り」
を感じ、決して
くじけない。

ある時、ある策謀が原因でインド中をおびえさせる盗賊団に誘拐され
彼女の人生は変わって行く。盗賊団リーダーは、彼女のこれまでの
人生に癒しになり、そして人間性が向上して行いく。
盗賊団は山岳地帯を根城に単に金のために村々を襲う集団と
弱者のために盗みを働き金品を分け与える義賊的な集団があったが
プーランの盗賊団は後者のほうである。
とても、「インドの聖なる悠久な流れガンジス川」などと言ってられない
悲しいこの差別社会が今もあると思うと信じられない想いです。

本書の最後の部分で彼女はこう言っている。
「生まれ、カースト、肌の色を問わず、また男であろうと女であろうと、誰もが尊厳を持っている。それを私は証明したかった。私は敬意を払ってほしかった。”プーラン・デヴィは人間だ”と言ってほしかった。他の人たちが当たり前のように言ってもらっていたように。」

この言葉の重みは本訴を読むとよくわかります。
彼女は女盗賊となり、投降までのお話ですが、彼女はその後、
国会議員にまでなって、こうした被差別民たちの地位向上を目指していたという。


おすすめの本です。

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