私が到着するのを待ちきれずに
義弟は入院していた。
到着して直ぐ病院からの連絡。
蘭ちゃんも一緒に主治医の説明を聞いた。

「何があってもおかしくありません」
「週単位で見て行きます」
蘭ちゃんはあまり顔色も変えずに聞いていた。でもその夜蘭ちゃんは私に背を向けて
肩が震えていた。

毎日蘭ちゃんの学校が終わったら
義弟を見舞った。
日に日に声は小さくなっていった。

肝臓がガンの増殖で腫れて
まるで臨月のお腹のようだ。

「私は大丈夫。帰って
休んで下さい」

痛い。苦しい。
一言の不満も洩らさなかった。


「後数日」と義弟が言った日から
2日後

静かに息を引き取った。


最後には間に合わなかった。

蘭ちゃんはパパの顔を見て
声を出さずに目を固くつむって
泣きました。

抱きしめてあげる事しか
出来なかった。

「ありがとう」と手を取って
何度も繰り返した義弟に

「遅くなってごめんね」
と、繰り返した。


蘭ちゃんのホッペを撫で、
肩を撫でた手が
未だ生きているように暖かかった。

蘭ちゃんのお父さんは1月26日に
天に帰っていきました。
潔い、昇華された死でした。
祈って下さった皆様
ありがとうございます。
今は蘭ちゃんと一緒に過ごしています。
来月には蘭ちゃんの卒業式です。