愛は死をも恐れない。愛は死の恐怖も乗り越える事が出来る。
そして愛は時空を超える。
その様に信じたい。
秀子は一番好きだと言った輝夫の腕の中で永遠の眠りについた。
妹は夫の愛の中で安らかだったろう。
母は秀子の家にやって来て、秀子使った寝具をすべて、町のごみ収集に出した。 布団も全て、、。もう死人が使った布団は要らないのだろう。
母にナゼ全てを捨てるのかは聞かなかった。それは常識なのだろうか?
秀子の病気の姿を思い出したくなかったのかもしれない。
秀子が逝ってから21日目の明け方。
夢の中で電話のベルが鳴った。
「はい、もしもし」と私が電話を取ると
「私」と何時もの聞き覚えのある声。
3週間前死んだはずの秀子の声だ。
『でも秀子さんは死んだはずじゃ、、。』と考えている。 如何しよう。
電話を切ることも考えられない。
「秀子です」と秀子は続ける。
「うん、ヨウコ姉さんだよ。」
何を聞いたらいいだろう?心を忙しく考える。
「秀子さん。元気にしてる?」
と何時もの様に聞いてみた。
「うん、最初はねちょっと大変だったけど、今は
大丈夫だよ」と答えてきた。
死んでから最初は大変だったんだろうと理解した。次は何を言ったらいいだろう?そうだ、聞いてみたいことがあった。
「秀子さん、今どこにいるの?」恐る恐る訪ねてみた。
「今? 今ね弟の重雄君の家にいるの」と答えてきた。
天国にいるんじゃないんだ。それとも天国から時空を超えて、弟の家に来ているのかも知れない。夢はそこで終わった。
其の日は午後から、両親と姉弟そして蘭子と一緒に慰安旅行をする予定だった。
妹の美佐子が大型のバンを運転して、温泉地へ向かった。
宿はすでに予約してあった。
秀子の闘病と葬式に両親も姉弟も疲れていた。妹たちが企画したものだった。弟の重雄は一人大型バイクでやってきた。
私たちより後に着いた重雄を、宿の駐車場に迎えに行った。
バイクから颯爽と降り立った重雄の首には赤いスカーフが巻かれていた。「ねえちゃん、先に着いとった?」と重雄が挨拶代わりに言う。
「うん、 其の赤い色のスカーフ珍しいね」と言う私に
重雄が
「うん、秀子姉さん一緒に連れてきた。このスカーフとトレーナー。ホレ見て」
と重雄が皮ジャンを脱いでピンクの字が書かれたグレーのトレーナーを見せてくれた。それは重雄が形見に貰った秀子の遺品だった。
今朝の夢は本当だったのかも知れない。秀子は「重雄の家にいる」
と、確かに私に夢で話した。
不思議な出来事は続いた。
秀子が亡くなって4ヶ月が経った頃、丁度家族で、実家に帰郷していた。
翌日は6月1日で、保育園児になった蘭子の初めての運動会だった。
私は蘭子と輝夫のお弁当を作っていた。
プログラムの中のお母さんとダンスには、久子が蘭子と一緒に踊る事に決まっていた。久子はダンスの練習もしていた。
皆がくつろぎながら、実家のリビングで話をしていた。
玄関のチャイムが鳴った。
父の愛犬のマリも「フアーン、キュアーン」とチャイムと一緒に鳴いている。母と私の娘のエリカが玄関に出て、まだ閉じられているドアに向かって
「どうぞ、どうぞお入り下さい」とお客様を招いた。
ドアは開かない。 ピクリとも動かない。
しかし玄関のチャイムは鳴り続けている。マリも鳴いている。
実家の玄関はすりガラスになっていた。
私は居間にいたが、ベルが鳴り続ける。
マリも鳴き続けているので、玄関に出てみた。
母とエリカが困惑したように顔を見合わせている。
すりガラスの向こうに人影は見えない。
誰かのイタズラだろうか?
私は思い切ってサンダルを履き玄関の外に出てみた。
あたりを見回す。
実家は国道から200メーターくらい入ってるが、
近所に小さな子どもはいない。 誰もいない。
玄関のチャイムは鳴り続け、犬のマリも鳴いている。如何したらいいのか?鳴り止まないチャイムと犬の鳴き声が、私を混乱させる。
如何したらイイ?自問自答する。
チャイムを押してみた。
さっきまでの音が嘘のように静かになった。
玄関の中に入ると、母、父、夫のアキさんエリカが私を待っていた。
皆が驚き、怪訝な顔をして、私に質問したそうだ。
「誰もいなかった」
と私はポツリと答えた。
「この家が建ってから今まで、こんな事は一度も無かったよ~」と母。
実家は40年以上前に建てられたものだった。
「秀子さんが明日の蘭ちゃんの運動会よろしく
お願いしますって言いいよんさーばいね。」母は私の顔を見てそういった。
(言ってるんだろうね)
秀子も初めての運動会一緒に楽しみたかっただろう。
ダンスも蘭子と一緒に踊りたかったに違いない。
お弁当も作りたかったと思う。
体の無い秀子は、私たちに玄関のチャイムを使って、メッセージを送ったのでしょうか。「蘭ちゃんをよろしく」
といいたかったのかしら。
「私を忘れないで」といいたかったのでしょうか
私は秀子に語りかけた。
秀子さん 蘭ちゃんのお母さんの椅子は貴女のものだよ。
誰も其の椅子に座る人はいないよ。
輝夫さんは貴女一人を妻として守り通すと誓っているよ。
安心していいから。
母は梅をつける為に紫蘇の葉を茎からむしりながら、
「秀子さんは、桜の花も見ずに逝きんさった」と独り言のように呟いた。
「かあさん、大丈夫よ、きっと今秀子さんがいるところには桜も、
もっと綺麗な花も咲いてるから。」
見上げると、雲の間から梅雨の合間の明るい青空が美しく広がっていた。
長い間秀子の闘病小説を読んでくださり有難うございました。皆様に心から感謝します。登場する人物は架空の名前です。この小説を未来の蘭子へ、そして秀子の輝夫へそして蘭子の産みの母幸子へ捧げたいと思います。秀子が生きた軌道の一端を伝えられたらと思います。未来の蘭ちゃんへ、、。皆様今日もブログを訪ねて下さり有難うございました。
心から感謝いたします。 皆様、暑さに気をつけてお過ごし下さい。今後日々の出来事、その他のジャンルで書いていきます。祈
そして愛は時空を超える。
その様に信じたい。
秀子は一番好きだと言った輝夫の腕の中で永遠の眠りについた。
妹は夫の愛の中で安らかだったろう。
母は秀子の家にやって来て、秀子使った寝具をすべて、町のごみ収集に出した。 布団も全て、、。もう死人が使った布団は要らないのだろう。
母にナゼ全てを捨てるのかは聞かなかった。それは常識なのだろうか?
秀子の病気の姿を思い出したくなかったのかもしれない。
秀子が逝ってから21日目の明け方。
夢の中で電話のベルが鳴った。
「はい、もしもし」と私が電話を取ると
「私」と何時もの聞き覚えのある声。
3週間前死んだはずの秀子の声だ。
『でも秀子さんは死んだはずじゃ、、。』と考えている。 如何しよう。
電話を切ることも考えられない。
「秀子です」と秀子は続ける。
「うん、ヨウコ姉さんだよ。」
何を聞いたらいいだろう?心を忙しく考える。
「秀子さん。元気にしてる?」
と何時もの様に聞いてみた。
「うん、最初はねちょっと大変だったけど、今は
大丈夫だよ」と答えてきた。
死んでから最初は大変だったんだろうと理解した。次は何を言ったらいいだろう?そうだ、聞いてみたいことがあった。
「秀子さん、今どこにいるの?」恐る恐る訪ねてみた。
「今? 今ね弟の重雄君の家にいるの」と答えてきた。
天国にいるんじゃないんだ。それとも天国から時空を超えて、弟の家に来ているのかも知れない。夢はそこで終わった。
其の日は午後から、両親と姉弟そして蘭子と一緒に慰安旅行をする予定だった。
妹の美佐子が大型のバンを運転して、温泉地へ向かった。
宿はすでに予約してあった。
秀子の闘病と葬式に両親も姉弟も疲れていた。妹たちが企画したものだった。弟の重雄は一人大型バイクでやってきた。
私たちより後に着いた重雄を、宿の駐車場に迎えに行った。
バイクから颯爽と降り立った重雄の首には赤いスカーフが巻かれていた。「ねえちゃん、先に着いとった?」と重雄が挨拶代わりに言う。
「うん、 其の赤い色のスカーフ珍しいね」と言う私に
重雄が
「うん、秀子姉さん一緒に連れてきた。このスカーフとトレーナー。ホレ見て」
と重雄が皮ジャンを脱いでピンクの字が書かれたグレーのトレーナーを見せてくれた。それは重雄が形見に貰った秀子の遺品だった。
今朝の夢は本当だったのかも知れない。秀子は「重雄の家にいる」
と、確かに私に夢で話した。
不思議な出来事は続いた。
秀子が亡くなって4ヶ月が経った頃、丁度家族で、実家に帰郷していた。
翌日は6月1日で、保育園児になった蘭子の初めての運動会だった。
私は蘭子と輝夫のお弁当を作っていた。
プログラムの中のお母さんとダンスには、久子が蘭子と一緒に踊る事に決まっていた。久子はダンスの練習もしていた。
皆がくつろぎながら、実家のリビングで話をしていた。
玄関のチャイムが鳴った。
父の愛犬のマリも「フアーン、キュアーン」とチャイムと一緒に鳴いている。母と私の娘のエリカが玄関に出て、まだ閉じられているドアに向かって
「どうぞ、どうぞお入り下さい」とお客様を招いた。
ドアは開かない。 ピクリとも動かない。
しかし玄関のチャイムは鳴り続けている。マリも鳴いている。
実家の玄関はすりガラスになっていた。
私は居間にいたが、ベルが鳴り続ける。
マリも鳴き続けているので、玄関に出てみた。
母とエリカが困惑したように顔を見合わせている。
すりガラスの向こうに人影は見えない。
誰かのイタズラだろうか?
私は思い切ってサンダルを履き玄関の外に出てみた。
あたりを見回す。
実家は国道から200メーターくらい入ってるが、
近所に小さな子どもはいない。 誰もいない。
玄関のチャイムは鳴り続け、犬のマリも鳴いている。如何したらいいのか?鳴り止まないチャイムと犬の鳴き声が、私を混乱させる。
如何したらイイ?自問自答する。
チャイムを押してみた。
さっきまでの音が嘘のように静かになった。
玄関の中に入ると、母、父、夫のアキさんエリカが私を待っていた。
皆が驚き、怪訝な顔をして、私に質問したそうだ。
「誰もいなかった」
と私はポツリと答えた。
「この家が建ってから今まで、こんな事は一度も無かったよ~」と母。
実家は40年以上前に建てられたものだった。
「秀子さんが明日の蘭ちゃんの運動会よろしく
お願いしますって言いいよんさーばいね。」母は私の顔を見てそういった。
(言ってるんだろうね)
秀子も初めての運動会一緒に楽しみたかっただろう。
ダンスも蘭子と一緒に踊りたかったに違いない。
お弁当も作りたかったと思う。
体の無い秀子は、私たちに玄関のチャイムを使って、メッセージを送ったのでしょうか。「蘭ちゃんをよろしく」
といいたかったのかしら。
「私を忘れないで」といいたかったのでしょうか
私は秀子に語りかけた。
秀子さん 蘭ちゃんのお母さんの椅子は貴女のものだよ。
誰も其の椅子に座る人はいないよ。
輝夫さんは貴女一人を妻として守り通すと誓っているよ。
安心していいから。
母は梅をつける為に紫蘇の葉を茎からむしりながら、
「秀子さんは、桜の花も見ずに逝きんさった」と独り言のように呟いた。
「かあさん、大丈夫よ、きっと今秀子さんがいるところには桜も、
もっと綺麗な花も咲いてるから。」
見上げると、雲の間から梅雨の合間の明るい青空が美しく広がっていた。
長い間秀子の闘病小説を読んでくださり有難うございました。皆様に心から感謝します。登場する人物は架空の名前です。この小説を未来の蘭子へ、そして秀子の輝夫へそして蘭子の産みの母幸子へ捧げたいと思います。秀子が生きた軌道の一端を伝えられたらと思います。未来の蘭ちゃんへ、、。皆様今日もブログを訪ねて下さり有難うございました。心から感謝いたします。 皆様、暑さに気をつけてお過ごし下さい。今後日々の出来事、その他のジャンルで書いていきます。祈