人は愛によって生まれ、愛に生き、愛のために死ぬ。
と教えてくださった方が居ました。
およそ人は自分の死期を予感したとき、
愛する人の許へ行きたいと、思うものではないのでしょうか?
愛する人の許へ行きたい。
もし、その愛が未完成であったなら、それを出来るかぎり完成に近つけたい。愛する人に最後の言葉を残したい。
それは誰もが願う事でしょう。
2月2日
昨日「かむことが辛い」といった秀子を考えて、
柔らかい食べ物を準備した。
玄米の粥を裏ごししたもの、湯豆腐、葛きり。
そして一口一口ゆっくり食べさせた。昼にはヨーグルト、トマト。
昼食が終わった頃に、美佐子が又来てくれた。
美佐子が来るのを待っていたように
「最後に体を綺麗にして欲しいの。綺麗に拭いてほしい。」
と秀子が言った。
「さいご」
と言う言葉にドキッとしたが、気に留めないふりをした。
「わかった」私と美佐子で秀子の体を暖かいお湯で拭いた。
体を綺麗に拭いてもらい、
秀子は、新しいネグリジェに着換えて気持よさそうにしていたが急に、
「早く、早く退院しなくちゃ」と言い始めた。
私と美佐子は顔を見合わせた。
「ヨウコ姉さん早く退院させて」と、叫ぶように言う。
その顔は真剣そのものだ。
秀子はすでに5日前に病院から退院して
今自宅のベッドに横たわっているのだ。
私と美佐子は何も言わずに意見が一致した。
考える事は同じだった。
マットの頭の方と足のほうを二人で持ち上げる振りをした。
「よいっしょ」 「病院をでるよー」そして、しばらくその姿勢を保った後
「はーい、ベッドおろすよー」と言って 、
「よいっしょ アー、家についたよ」
と自宅に着いた振りをした。
秀子は安心したように
「良かった。」
と私と美佐子の顔を見た。
そして、続けた。
「私ね、元気そうに見えるけど、ちょっと体が悪いの」
秀子は、又あの二つの世界の境目に居るのだ。
「そうなのね」 と答えるしかなかった。
秀子は安心したのかウトウト眠り始めた。
私は取り替えたシーツ、ネグリジェ、タオルやおむつを片つける。
美佐子が手伝っていたが、
「ヨウコ姉さん」
と美佐子が私を呼ぶ、目配せする。
美佐子の目線を辿ると、秀子の右手が動いている。
秀子は左を下に横臥している。右の手は自由に動かせる。
二人で立ち上がって秀子を見ると
秀子の手は 、トーン、トーン、トーンとリズムを持って動いている
幼子を寝かしつけるしぐさだ。
「蘭ちゃんを寝かしつけよんさー(蘭ちゃんを寝かしつけてるね)」
と美佐子
美佐子を見ると美佐子の目には涙があふれようとしていた。
それを見ている私の目も涙で見えなくなった。
蘭子は養子と言う形だったが、秀子は母だった。
たった3年しか愛する事が出来ない母の心は、誰も図り知る事が出来ないだろう。愛する人の許に帰りたかった秀子は
今穏やかに、自分の傍の蘭子を寝かせつけていた。
人は皆愛する人の許で平安を得て、喜び希望を持って生きていくものだと思います.いのちを縮めても、愛するほうが価値があるのでしょう。秀子が蘭子を育てる事がなかったらもっと生きていたかもしれません。でもわが子を愛する喜びを知る事は無かったでしょう。私も愛する夫、娘を大切にしましょう。秀子の分まで、、、。皆様も元気で、愛して過ごして下さい。祈り
と教えてくださった方が居ました。
およそ人は自分の死期を予感したとき、
愛する人の許へ行きたいと、思うものではないのでしょうか?
愛する人の許へ行きたい。
もし、その愛が未完成であったなら、それを出来るかぎり完成に近つけたい。愛する人に最後の言葉を残したい。
それは誰もが願う事でしょう。
2月2日
昨日「かむことが辛い」といった秀子を考えて、
柔らかい食べ物を準備した。
玄米の粥を裏ごししたもの、湯豆腐、葛きり。
そして一口一口ゆっくり食べさせた。昼にはヨーグルト、トマト。
昼食が終わった頃に、美佐子が又来てくれた。
美佐子が来るのを待っていたように
「最後に体を綺麗にして欲しいの。綺麗に拭いてほしい。」
と秀子が言った。
「さいご」
と言う言葉にドキッとしたが、気に留めないふりをした。
「わかった」私と美佐子で秀子の体を暖かいお湯で拭いた。
体を綺麗に拭いてもらい、
秀子は、新しいネグリジェに着換えて気持よさそうにしていたが急に、
「早く、早く退院しなくちゃ」と言い始めた。
私と美佐子は顔を見合わせた。
「ヨウコ姉さん早く退院させて」と、叫ぶように言う。
その顔は真剣そのものだ。
秀子はすでに5日前に病院から退院して
今自宅のベッドに横たわっているのだ。
私と美佐子は何も言わずに意見が一致した。
考える事は同じだった。
マットの頭の方と足のほうを二人で持ち上げる振りをした。
「よいっしょ」 「病院をでるよー」そして、しばらくその姿勢を保った後
「はーい、ベッドおろすよー」と言って 、
「よいっしょ アー、家についたよ」
と自宅に着いた振りをした。
秀子は安心したように
「良かった。」
と私と美佐子の顔を見た。
そして、続けた。
「私ね、元気そうに見えるけど、ちょっと体が悪いの」
秀子は、又あの二つの世界の境目に居るのだ。
「そうなのね」 と答えるしかなかった。
秀子は安心したのかウトウト眠り始めた。
私は取り替えたシーツ、ネグリジェ、タオルやおむつを片つける。
美佐子が手伝っていたが、
「ヨウコ姉さん」
と美佐子が私を呼ぶ、目配せする。
美佐子の目線を辿ると、秀子の右手が動いている。
秀子は左を下に横臥している。右の手は自由に動かせる。
二人で立ち上がって秀子を見ると
秀子の手は 、トーン、トーン、トーンとリズムを持って動いている
幼子を寝かしつけるしぐさだ。
「蘭ちゃんを寝かしつけよんさー(蘭ちゃんを寝かしつけてるね)」
と美佐子
美佐子を見ると美佐子の目には涙があふれようとしていた。
それを見ている私の目も涙で見えなくなった。
蘭子は養子と言う形だったが、秀子は母だった。
たった3年しか愛する事が出来ない母の心は、誰も図り知る事が出来ないだろう。愛する人の許に帰りたかった秀子は
今穏やかに、自分の傍の蘭子を寝かせつけていた。
人は皆愛する人の許で平安を得て、喜び希望を持って生きていくものだと思います.いのちを縮めても、愛するほうが価値があるのでしょう。秀子が蘭子を育てる事がなかったらもっと生きていたかもしれません。でもわが子を愛する喜びを知る事は無かったでしょう。私も愛する夫、娘を大切にしましょう。秀子の分まで、、、。皆様も元気で、愛して過ごして下さい。祈り