1月28日第1回目の看護訪問。
衣服の着替えをしてもらい、尿道ホースをはずした貰った。
秀子は解放されて、嬉しそうだった。

秀子は横臥しているため、
オムツから尿が漏れてシーツを濡らす可能性があった。
訪問看護の一人(何時も2人以上で訪問してくださいました。)の方が車を運転して下さって、一緒にドラッグストアへ行って、腰の下に敷くオムツのフラットタイプを買った。
この頃から秀子は自分で歯ブラシが出来なくなっていたので、
口の中をクリーニングするものも買った

1月29日。
今日は輝夫が仕事を休んで居てくれた。
早朝3時頃、
秀子が「呼吸が苦しい」と言うので血中酸素計を見ると94だった。

酸素の器械のレベルを上げた。

秀子の朝食に、人参とりんごのジュース。何時もの玄米お粥。
白身の魚の煮付けを用意した。

朝の8時、
秀子と輝夫が休んでいる部屋に声をかける。


「輝夫さん、秀子さんの食事できたよ。」
「有難うございます」
と輝夫がドアを開けて答える。
私はトレーにのせて食事を運ぼうとしたとき、秀子が

「私、車椅子の上で食事をする」と言った。

私と輝夫は目を見合わせた。

忘れてなかったんだ。
2日前『輝夫さんが居るとき椅子に座ってみようか』と私が提案した事を、、。

「椅子に座ってしょくじするの?」と輝夫が秀子に確認する。
「そう。輝夫さん手伝って。」
秀子は真剣な大きな目で、輝夫を見つめていた。

輝夫には、秀子が2日前に「座ってみたい」といった事はすでに話してあった。

「分かった、じゃ ちょっとやって見ようか」
輝夫はそんな気を出してくれた秀子に対して嬉しいのか、
無理な注文に途方に暮れながらでも、遣ってあげようとしているのか、、、。
私には分からなかった。

秀子を輝夫が抱き寄せてゆっくりベッドに座らせる。
細い秀子の体は自分で体を支える事が出来ない。
輝夫は秀子の頭を自分の肩に載せてベッドから車椅子に移動させていく。私が秀子の足を持って移動する。
長い長い時間のように思われた。

車椅子はリビングの広い窓に背を向けて置かれていた。
「よいしょ」と輝夫が秀子を椅子に座らせた。

秀子の首はまっすぐ頭を支えきれずに震えていた。
窓からさす日の光に乱れた秀子の髪のところどころ透けて見える。
こけた頬、細い首が逆光に浮かび上がる。
秀子は目を瞑っている。
口は一文字に結ばれ、必死に首を支え体を支えようとしている。
輝夫は秀子の傍に中腰になって秀子を見つめている。
私には秀子が、まるで鬼神のように見えた。

30秒、いや2分。5分経っただろうか? 
秀子は何も言わず、手を上げて指をさした。
指はベッドを指していた。

輝夫は何も言わず、椅子に座った秀子の体を抱き上げ、
ベッドのほうへ移動させた。
私は秀子の頭を支えた。
ベッドに横臥して横に成った秀子は荒く息をしていた。

すべての力を出し尽くしたかのようだった。

ペタしてね 読者登録してね 今日もブログを訪ねて下さり有難うございます。
フィンランドは明るく青い空が広がっています。6年前の事を思い出しながら、訪問看護師の方たちの優しさ、親切さを思い出し感謝の気持でいっぱいです。
ここに訪ねて下さる看護師の皆様に、ありがとう!
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