1月26日午後2時ごろ
病院から出発して、秀樹が運転をした。
看護婦の美佐子が緊急時に備えて同伴しながら、
ふるさとの見慣れた山、川、幼い頃の思い出の場所を通り過ぎて、
ベッドに横臥したままの秀子を乗せた車は、秀子の家に無事到着した。
レンタルの介護ベッドが、新しいシーツと布団と一緒に
秀子の到着を待っていた。
久子と母が準備していた。
ベッドは日が良く当たるリビングに設置されていた。
ベッドの頭のほうにレンタルの酸素吸入器がセットされている。
運んできたマットと共に秀子を皆で運んだ。
ここで、秀子の新しい生活が始まる。
自宅療養に当たって、秀子はすべてのチューブを拒否した。
栄養剤も、鎮痛剤も点滴は無かった。
それはすべてから解き放たれたいと願う秀子の願いを表していた。
只、排泄を促すための消化剤の飲み薬だけは処方されていた。
国立病院の看護師長が
「1日でも2日でも自宅で過ごせれば、、、」
と言った言葉が頭から離れなかった。
国立病院の主治医は
「昨日まで返事していたのが今日はしなくなるという風になります。」
と説明してくれた。
秀子の命は風前の灯なのだ。
到着まもなく、町の病院から派遣された介護スタッフ4人の方とミーティングを持った。寝室になっている畳の部屋に主治医と看護師、介護師と輪になり、私と輝夫が参加した。
秀子の娘の蘭子はやっとベッドに落ち着いた秀子を遠めに見ていた。
傍に久子が寄り添っている。蘭子を自宅から連れてきていたのだ。
久子は蘭子と手を繋いでいる。
「ママ、、。」
とベッドで疲れて眠る秀子を見つめている。
「蘭ちゃん、ママは今日車に乗ってお家に帰ってきたから疲れているんだよ。少し、寝かせてあげようね」
と、久子が腰を屈め、蘭子の目を覗いて話して聞かせる。
蘭子は久子の顔を見上げる。
「ママ」
と蘭子は秀子を呼びながらベッドに近寄る。
「あ、蘭ちゃん。」
と秀子が大きな目を開けて、目覚めた。
秀子は細い手を差し伸べて
「蘭ちゃん、おいで」
と蘭子を呼んだ。
蘭子はためらわず、秀子の差し出した手を取った。
蘭子の3歳に成ったばかりの手が細い秀子の手を握る。
涙が出るのをこらえた。
「ママの手あったかい」
秀子はやさしい目で蘭子を見ている。
蘭子は久子が家に連れて行った。
私と輝夫が一緒に秀子の看病をする事になった。
輝夫の仕事の関係で日中は私が秀子と共に過ごす。
輝夫は秀子と一緒にリビングで夜を過ごす事になった。
久子が毎日車で来て、洗濯物をコインランドリーですると約束してくれた。
秀子の死は何時訪れるか誰にも分からなかった。
日中何が起こるかわからない。
緊張感と、少しの恐怖心。
「しっかりしなければ」 と自分を奮い立たせた。
秀子の新しい旅立ちを、
何の恨みも後悔も無く、
心安らかに迎えさせてあげることが、
私の秀子に出来る最後の事だと心に言い聞かせた。
今日もブログを訪ねて下さり有難うございます。皆様おげんきですか?こちらは久しぶりにお日様が顔を出しました。庭の赤いバラの花が満開に咲きました。子ども達も嬉しそうに犬とおばあちゃんと一緒に散歩しています。和む光景で出会えました。みな様の明日もいい日で在りますように。感謝
病院から出発して、秀樹が運転をした。
看護婦の美佐子が緊急時に備えて同伴しながら、
ふるさとの見慣れた山、川、幼い頃の思い出の場所を通り過ぎて、
ベッドに横臥したままの秀子を乗せた車は、秀子の家に無事到着した。
レンタルの介護ベッドが、新しいシーツと布団と一緒に
秀子の到着を待っていた。
久子と母が準備していた。
ベッドは日が良く当たるリビングに設置されていた。
ベッドの頭のほうにレンタルの酸素吸入器がセットされている。
運んできたマットと共に秀子を皆で運んだ。
ここで、秀子の新しい生活が始まる。
自宅療養に当たって、秀子はすべてのチューブを拒否した。
栄養剤も、鎮痛剤も点滴は無かった。
それはすべてから解き放たれたいと願う秀子の願いを表していた。
只、排泄を促すための消化剤の飲み薬だけは処方されていた。
国立病院の看護師長が
「1日でも2日でも自宅で過ごせれば、、、」
と言った言葉が頭から離れなかった。
国立病院の主治医は
「昨日まで返事していたのが今日はしなくなるという風になります。」
と説明してくれた。
秀子の命は風前の灯なのだ。
到着まもなく、町の病院から派遣された介護スタッフ4人の方とミーティングを持った。寝室になっている畳の部屋に主治医と看護師、介護師と輪になり、私と輝夫が参加した。
秀子の娘の蘭子はやっとベッドに落ち着いた秀子を遠めに見ていた。
傍に久子が寄り添っている。蘭子を自宅から連れてきていたのだ。
久子は蘭子と手を繋いでいる。
「ママ、、。」
とベッドで疲れて眠る秀子を見つめている。
「蘭ちゃん、ママは今日車に乗ってお家に帰ってきたから疲れているんだよ。少し、寝かせてあげようね」
と、久子が腰を屈め、蘭子の目を覗いて話して聞かせる。
蘭子は久子の顔を見上げる。
「ママ」
と蘭子は秀子を呼びながらベッドに近寄る。
「あ、蘭ちゃん。」
と秀子が大きな目を開けて、目覚めた。
秀子は細い手を差し伸べて
「蘭ちゃん、おいで」
と蘭子を呼んだ。
蘭子はためらわず、秀子の差し出した手を取った。
蘭子の3歳に成ったばかりの手が細い秀子の手を握る。
涙が出るのをこらえた。
「ママの手あったかい」
秀子はやさしい目で蘭子を見ている。
蘭子は久子が家に連れて行った。
私と輝夫が一緒に秀子の看病をする事になった。
輝夫の仕事の関係で日中は私が秀子と共に過ごす。
輝夫は秀子と一緒にリビングで夜を過ごす事になった。
久子が毎日車で来て、洗濯物をコインランドリーですると約束してくれた。
秀子の死は何時訪れるか誰にも分からなかった。
日中何が起こるかわからない。
緊張感と、少しの恐怖心。
「しっかりしなければ」 と自分を奮い立たせた。
秀子の新しい旅立ちを、
何の恨みも後悔も無く、
心安らかに迎えさせてあげることが、
私の秀子に出来る最後の事だと心に言い聞かせた。
今日もブログを訪ねて下さり有難うございます。皆様おげんきですか?こちらは久しぶりにお日様が顔を出しました。庭の赤いバラの花が満開に咲きました。子ども達も嬉しそうに犬とおばあちゃんと一緒に散歩しています。和む光景で出会えました。みな様の明日もいい日で在りますように。感謝