皆さんこんにちは(´っ・ω・)っ
本日は、サンワード貿易コンシェルジュのT氏による
石油について前編・後編に分けてお話していきます。
再生可能エネルギーは拡大していますが、
石油よりも使い勝手の良いエネルギーは
まだまだ存在していないのは事実です。
経済活動を支えるエネルギーソースという点では、
石油の価格動向は大きなものと言えます。
第二次大戦後は、この原油価格の決定においては先進国に拠点を置く石油多国籍企業、
いわゆるオイルメジャーが主導権を握っていました。
要するに買い手市場。それに対して産油国側は価格カルテル、
現在も影響力を持つ石油産出国機構(OPEC)を組んで対抗してきました。
1973年の中東戦争ではOPECは親イスラエル諸国に対して石油禁輸や価格引き上げの措置を取り、
オイルショックを引き起こしてその圧倒的な存在感を発揮します。原油市場は売り手市場に変化したと言えます。
これら買い手、売り手の一方的な都合で価格が決まっていた石油が、
買い手と売り手が透明で公正な競合によって価格を形成する、
いわゆるマーケット化したのが、ニューヨーク・マーカンタイル取引所にて
1983年に上場されたWTI(ウエスト・テキサス・インターメディエイト)原油先物市場でした。
このように、OPECから価格決定権を奪還したWTIは、現在も大きな影響力を持ち、
「世界の原油価格=WTI」と考えている人も多いです。
麻生財務大臣なども、閣議後の記者会見で記者さんをつかまえて
「おい、今のWTIの価格は何ドルだ? なに、経済部の記者なのにそれも知らんのか?」
などとやっていますね(笑)
ただしWTIは、「ウエスト・テキサス」のローカル産品。
しかも2015年に米国の政策が転換するまでは、一滴も国外に輸出されることがありませんでした。
これを世界標準とするのは、少々無理が生じます。
代わって近年に大きく影響力を伸ばしているのが、英国ロンドンにて取引されている北海ブレント原油です。
ちなみに、ブレンドではありません、ブレントです。「ト」は濁りません。
英国が所有する北海油田の中のブレント鉱区にて産出されるので、この名前があります。
北海油田の存在は、英国にとってのプレステージであると同時に、
スコットランド独立運動の一因でもあります。
スコットランドにしてみれば、北海油田が産み出す利益をイングランド他に持ってかれるのが面白くなく
、かつ独立しても石油の利益でやっていけると思っているわけです
(あまりメジャーな話ではありませんが、米国テキサスにも似たような独立運動が存在します)。
WTIと北海ブレントという2つの先物市場、これに中東のドバイにて取引される
現物のスポット市場を加えたのが、世界の原油の価格指標とされます。
次回は、この石油についてもっと掘り下げたいと思います。
👉続編は5月30日です☆お楽しみに!!
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