新幹線に乗ると、おつまみを横に置き、缶ビールで乾杯をしている二人がいた。
私にも、そんな楽しい日々があった。それも、もう叶わない。
私が行く先に、もうあなたはいない。
あんなに楽しみで嬉しくて、
パニック障害だけど、あなたに会うために頑張って乗っていた新幹線で、今は涙が止まらない。
横に誰も乗ってこなくて助かった。
悲しくなるとは思っていたけど、この光景を見なければ、泣くことはなかった気がする。
会いに行くためじゃない旅は、なんでこんなに悲しいのか。
もう一緒に乾杯をすることもないんだね…
でもこれは、あなたを感じられる旅なのだから、辛いけどさ。
そのうち、その場所さえもなくなって、帰るところもなくなるのだろう。
寂しいな。