青春の一こま

やっと授業が終わった。

午前中は4時間目に体育だった。

教科内容は「ラグビー」だ。


この時間中あまりにも熱中して走り回りすぎたのか

午後からの時間は

睡魔に襲われ、

5時間目の古文の時間も

6時間目の「地学」の時間も夢うつつで

送ってしまった。


やっと6時間目が終わると

教室の掃除に取りかかった。

今週は私たちのグループが掃除の当番だった。

やっと掃除も終わり、

後は後片付けを残すのみだった。

私はほかの人たちは先にかえってもらった。


バケツの中の汚れた水を捨てに走った。

もう教室には誰もいなかった。

教室はひっそり静まりかえっていた。


これから私はバスケットクラブの練習だった。

練習着の入ったナップサックを取り出し、

部室に向かおうとした時だった。


心臓にナイフが突き刺さったような衝撃が走った。

脳裏に常々ふっと浮かんでくるあの表情が

目の前にあった。


勉強道具一式を小脇に抱え、

掃除が終わったばかりのこの教室に入ってきた。

思わず私は声をかけた。

「えっ!どうしたの?」