気がつけばいつも3人いっしょだった。
僕と年の近い大学院生がいて
時々世間話をするのだが
羨ましがられたし、不思議がられた。
「君たちは一体どういう関係なんだい?」
さあ、どういう関係なんだろうね。
逆に僕が聞きたいぐらいだ。
3人はお互いをどう思っているのか。
ぼくらの入ったゼミの教官は
鬼のような非情さで有名で
授業態度が気に入らないと
ゼミの単位すら与えない。
過去には企業の内定をもらっていた学生が
卒業できなかったという例もあるので
僕以外の二人は戦々恐々としていた。
教官は課題をたくさん出すので
僕らは時間に追われ
授業の時間以外にも3人で組んで
学習することが多かった。
図書館や、学校の近くのカフェで
主に僕がリーダーとなって勉強会をした。
フィールドワークにも出かけた。
日帰りのゼミ旅行にも。
大学生活において3人でいる時間が大きく占めた。
出かけた先で、写真もよく撮った。
いつも3人で写った。
あの事故以来、
写真に写ることを極力避けてきた僕としては
画期的なことだ。
例の大学院生が僕にたずねた。
「君のゼミに可愛い女の子いるよね。
璐美(ロミ)ちゃんだっけ。
あの子と付き合っているの?」
「とんでもない。8つも年上なんだよ」
僕は即座に否定した。
「僕が兄貴で林君と璐美ちゃんは
弟、妹みたいなものかな」
「ふーん」
と彼はつまらなさそうに言った。
「それじゃ林君はどうなんだろう。
彼女と付き合おうとは思わないのかな」
僕はドキッとした。
二人は同い年だし
彼らの方が自然にお似合いだ。
付き合っていてもおかしくない。
でもそれを考えるとすっと血の気が引く
自分がいる。
二人はどこかで会っているのだろうか。
僕の知らない所で。

