月・木・土に投稿予定です
東京での就職を諦めて
故郷に戻った耀は
すぐに実家の「ラーメン亭」で
働くことはしなかった。
大学で学んだ経営学、特に会計学を
実務で学びたいという思いから
会計事務所に勤めることにした。
「ラーメン亭」は
小規模な家族経営のため
選んだのはビルの一室にある
所長と事務員6人の小さな会計事務所だった。
入所当初、事務所の雰囲気は
とても良かった。
年長の先輩職員が面倒見の良い頼れる人物で
温かい雰囲気の中で働き始めた。
しかし、小さな職場の人間関係は
トップの人格に大きく左右されることを
耀は後に思い知らされることになる。
その先輩が急に実家の家業を継ぐことになり
退職したのだ。
すると、それまでおとなしくしていた
ナンバー2の鰐口(わにぐち)が
にわかに気炎を上げ始めた。
辞めた先輩の代わりに
日和田(ひよりだ)という男が
入ってきてからは
鰐口の言動は一層エスカレートしていった。


