何気なくラジオをつけていたら

ブックレビューの番組をやってました。

「次は…カズオ・イシグロの新作を紹介します」

 

それが 『わたしを離さないで』 (2005)でした。

 

 

レポーター 「これは ……… についての物語です」

司 会 者 「えーっ、それ言っちゃっていいんですか。 

        (ネタバレにならないの)」

レポーター 「かまわないんですよ」

 

 

本の裏表紙にはあらすじが書いてあります。

作者はなんなら帯に書いてもかまわないと

言っています。

そこが眼目じゃないから。

 

 

イギリスの片田舎に外界から

切り離された学園があります。

そこにはある目的のための

特別な子どもたちがいて

手厚くケアされ

変わった教育がされています。

 

 

何だかよくわからない不穏で不気味な雰囲気で

始まりますが

わりと早い段階でこの学園の秘密は

あっさりと明かされます。

 

 

私はここでちょっと拍子抜けしました。

 

 

作者はこの学園の謎で引っ張ろうとは

思わなかったんですね。

ミステリーだったら最後の最後まで

引っ張るところですが。

 

 

近未来小説のくくりですが

SFチックなところはなくて

主人公キャシーの普通の日常生活を

少女時代から若い女性時代まで

回想形式で書いています。

 

 

上の表紙の絵、

私は長いこと滑車とか歯車だと思っていました。

ギリギリとかみ合う運命の歯車を表していると。

 

 

カセットテープだと気づいたのは

ずいぶん後になってからです。

テープは、タイトルや内容にも関わってくる

重要なアイテムですね。

 

紙面いっぱいに縦に描いてあるのでわからなかった~。

 

 

この話、生々しいので実写化はしてほしくなかった。

話題作だからやっぱり映画になったけれど

しばらくは見る気にはなれなかった。

 

 

閉ざされた学園にいる子どもたちは

「提供者」になることが決まっているのです。

子どもたちを監督し教育する先生「保護官」と

「提供者」の世話をする「介護人」もいます。

 

 

ここまで聞いて似たような話を思い出しませんか?

 

1月4日に放送された映画『約束のネバーランド』。

 

私は、原作漫画やアニメは見ていないので

けっこう楽しめました。

(テレビで見たのは2回目です)

 

                 (次回に続く)