パリ夏季オリンピックまであと1年です。

 

今から約120年前の1898年に

パリ万国博覧会が開催されましたが

 

そのパリ万博奇譚、都市伝説とでもいうべき

「消えた貴婦人」のお話ご存じでしょうか。

 

 

 

パリ万博を見に訪れた

外国人の母娘がパリのホテルに到着後

母親の具合が悪くなった。

 

ホテル付の医者の手におえず

娘はホテルを出て

パリの街をあちこち探しまわり

ようやく医者を見つけホテルに戻ったが

ホテルに母親の姿はなかった。

 

ホテル関係者や医者に問いただしても

「そんな人はいません。

あなたは最初から一人で宿泊したんですよ」

と口をそろえて言う。

 

こうして母親は消えてしまい

永久に彼女のもとに戻ることはなかった。

 

 

 

不思議な話ですね。

でもこれには驚くべき真相があったのです。

 

 

 

母親はインドでペストにかかって

ホテルに到着後に亡くなっていた。

 

万博の最中に、このことが公になったら

混乱が生じ大打撃となる。

 

それでホテル関係者は母親を隔離し

全員で「そんな人はいなかった」と

口裏を合わせ隠ぺいしたのだった。

 

 

 

 

この話を下敷きにして

いくつかの小説や映画が作られていますが

 

白眉はウィリアム・アイリッシュの

『幻の女』です。

 

 

妻と口論して家を飛び出した男は

街で風変わりな帽子をかぶった女性と出合い

慰みに食事をし、劇場、バーに行く。

 

 

帰宅すると、家には妻の死体と警察が待っていた。

彼のアリバイを証明してくれるのは

名前も知らない顔も覚えていない

目立つ帽子をかぶった女性一人。

 

 

でも行った先々で「そんな女はいなかった」

と言われる。

「あなた一人しかいなかった」と。

 

 

彼の無実を信じる刑事と恋人、親友が

その“幻の女”を探して奔走する……

 

 

タイトルの「幻の女」とはいったい誰なのか?

最後の最後まで分かりません。

 

 

行方をくらましているので

犯人と係わりがあるのかと思いきや

ふわっとした正体がわかった時には

あっけない気分でした。

 

phantom lady

まさに幻の女 

幽霊のような女、そして哀れな女

 

このアイリッシュらしい哀切な結末のつけ方

好きですね。