《 登場人物 》

 

岡田めぐみ    主人公。 学園のアイドルだったが今はひきこもっている

水田ひろ子    めぐみの元クラスメート 今は1番のよき話し相手

薄田一郎     めぐみの元クラスメート オタクっぽい

 

 

        

「ところで戸高って途中から転入してきたやつ覚えている。

あの洋行帰りをひけらかした嫌味な男だよ」

と薄田君がクラスメートの話を切り出した。

 

「別に自慢なんてしてないわよ。

そう思うのはあなたのひがみでしょ。

彼はお父さんの仕事で家族と一緒に外国に行っていたんだから。

もちろん英語だってペラペラよ」とひろ子さんが擁護する。

 

「髪まで外国かぶれの赤毛で、身長もばかでかかったよな」

 

「背が高くてかっこいいと言いなさい。

彼の茶色いさらさら髪は天然で、染めたわけではないわ」

 

「何だよ。いちいち混ぜっ返してうるさいな」

薄田君は切れ気味だ。

 

「だってひどくて聞いていられないんだもの」

 

「めぐみちゃんは違うよね」

薄田君は救いを求めるように私の方に向き直った。

「苦手だって言っていたよね。戸高のこと」

 

「うん」私は視線を下に落とした。

「昔はそう言っていたかもしれない」

 

「昔は?今はどうなの?」とひろ子さん。

 

「私が病気になってから、彼と町でばったり会ったことがあったの。

その時やさしく声をかけてくれた」

「それで」

「私の様子が元気なさそうだと思ったのか、話をよく聞いてくれた。

困ったことがあったら僕に連絡してって。

いろいろ相談に乗るからって言われたわ」

 

「えーっ」薄田君は残念そうだった。

 

「さすが、戸高君ね」とひろ子さん。

 

「どうして。めぐみちゃん。

戸高嫌いだって言っていたじゃない。

他のミーハー女と違って、さすがお目が高いと思ったのに」

薄田君は口をとがらせて言った。

 

「その頃は彼のことをすごく意識していたんだと思う」

と私は控えめに言った。

「戸高君すごく目立っていたから内心興味あったけれど

気づかれないようにバリアー張っていたんだわ」

 

「そうだったのね」とひろ子さんがうなずいた。

 

「彼だってずっと順風満帆だったわけじゃない。

お父さんが大学時代に亡くなって

バイトしながら勉強して、苦労していた時期もあったのよ」

と彼女は続けた。