夫がハシゴに登らなくなった理由 | sunset diary

夫がハシゴに登らなくなった理由

一軒家を持つ限り、雨どいの掃除をしなくちゃいけないのは欧州もアメリカも同じ。

 

ただ、ドイツやデンマークの家はアメリカより建物が低く、低い脚立で十分だった。

 

こんなの↓

 

 

が、今私達が住むいえはとにかく高い。前庭側は普通の2階建てだが、ウチの近所のほとんどの家と同様、裏庭に行くにつれて傾斜になってて、裏から見ると3階建てくらいの高さがある。

 

そんなわけで2階の雨どいの掃除は結構な高さになるから、雨どい掃除の専門業者を呼ばないといけない。屋根の面積に寄るんだけど、ウチの場合は確か120㌦とか。

 

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アメリカに来た当初はウチのオットは自分で屋根に登って掃除をしてて、とにかく見ているこちらは怖くて何度もケンカした。たかが100$かそこいらと自分の命とどっちが大事よって、まだ子供が小さかったから真剣にケンカした。そしてある時からやっと彼が折れてお金を払って人に来てもらっている。

 

庭仕事も結構大変で、小さな脚立では届かない木もあるから、たまに背の高いはしごを使う時もあった。


そしてある事を境に、オットは一切大きなはしごを使わなくなった。

 

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去年の夏、オットのテニス仲間が庭仕事中にその大きな梯子から落ちて大怪我をした。

 

はしごに登って枝を切っていてハシゴ毎ひっくり返り、運悪く落ちたところがゴツゴツと岩の所で頭を打った。肩、両手首、両足首などなど体中のあちこちを骨折し、頭がい骨骨折も酷かったのでinduced coma (人工的な昏睡状態)でしばらく過ごして一命を取り止めたんだった。すごいな医学ってって思った。そしてシューマッハーをすぐ思い出した。

 

この彼、まだ40代で子供三人は12,11,8歳。私はこの家族を知らなかったけど、その時とてもショックだった。オット達はもっとショック。

 

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そして先月。私のチーム練習で初めてあった人がいて、彼女と試しにペアを組んでみた。『学生の頃にテニスをしていて、数年前にまた初めたんだけど去年は休んでいて、この秋からまたリーグに戻ることになった』との事。まぁプレーは雑だったけど、楽しくプレーが出来て、終わってパーキングまでテクテク歩く時にすこしチャットした。

 

子供達はこのクラブのクリニックに通っているらしいからご主人はテニスしないのかって聞いたら『彼も良くテニスしてて、水曜の男子の社交テニスの常連だったんだけど去年大けがしてからそのままなの』との事。ここでピンときた!あのハシゴの彼だ!

 

私のオットもそのテニスのグループで、皆で心配していたって事から始まりアレコレ話しが続いた。結局ご主人は今でも言語が主に困難で、歩行やmotoric も不十分らしい。ご近所さんや子供を通しての友達家族などの応援と援助でここまでやってきたと。なんども心が折れたって。夫の面倒と子供達の成長にどうやって向き合っていけば良いのか、でも考えてる暇はなかったと。

 

私『あなたがこうやってテニスにまだ戻ろうと思えるようになったことがとても素晴らしいと思う』と。急に彼女に出会い、あれこれ話してくれて私も感極まってウルっと来てしまった。

 

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彼女の話っぷりがとても吹っ切れていて心に刺さった。悲観的な表現は全くなく、いまこうしてテニスをたまにできるまで自分の中で折り合いがついたって彼女の顔が神々しかった。容姿がとても美しい人だったけど、さらになんていうかな、重みのあるオーラが滲み出ていた。彼女の言い放った it is what it is がとても印象的。

 

きっとここまで吹っ切れるまでに計り知れない葛藤があったに違いない。まだ同じ大きな家に住んでいるから金銭的には大丈夫なのかな。

 

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そして、チームのキャプテンや他のチームメイトのやさしさも素晴らしいと思った。さりげないサポートっていうのかな、メーガンの時間に合わせてチーム練習を入れたり、彼女が試合に出れるときはほかのメンバーが子供のお迎えに行ったりとか、さらっと皆が動いている。どうにかしてメーガンにご主人の事、子供の事意外の自分の時間を持ってもらいたくて一生懸命考えている。

 

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という理由で、私のオットのみならず、テニスの男子たちは彼の事故以来、脚立に登るのを避けるようになった。

 

It is what it is、いまさらどうにも代えられない事実だけど、彼の事故を教訓にして自分の行動を正す事は大切だという事。やめた方がいことは止めるべきって事。

 

メーガン家族を応援している。