おまわりさん、ありがとう | sunset diary

おまわりさん、ありがとう

先月、私の住んでいる州で大規模な暴動があった。そのことは割愛するとして、その時我が家でも次男を交えて話をした。

 

日本での天災、欧州でのテロ、また今回の様なアメリカ独特な事件があった時の我が家の食卓は白熱する。最近は上の二人が家にいないのでそれほど燃え上がらないが、それでもグループメッセージで常に考えを交えてはいる。核家族に大事なのは、小さいながらも意見をいつも交差させる事だと思う。

 

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『何が起こっても、誰が何と言おうと、警官に敬意を払う事を忘れてはいけない。どの世界(職種)にも良い人悪い人はいる。今回の様にお祭り騒ぎのごとく、事の発端をしっかり把握せずに駄々をこねて破壊や略奪をするなんてことは言語道断。まともな人間のすることじゃない。ここに人種云々のいいわけはをこじつけてくるのはおかしい。実際問題、後日起きた白人警官による白人射殺の場合はニュースにはなっても掘り起こした記事は一つもない。はい、つぎでおしまい。アメリカのいけないところは、事あるごとにいつも人種を持ち出すところ。差別が根強いのではなく、区別が根強いだけだと私は感じる。差別をされると感じる人は、自分で括りつけているだけなのでは?と私はとる。それはおいといて。

 

それ以前にアメリカで大事なのは、先ずPull over されたら(パトカーに後ろから止まるよう促される行為)速やかに止めて、正直に普通にふるまう事が大事。スピードオーバーだったんだなとか、ナンバープレートが切れてたのかなとか、あれこれ考えたとしても間違っても変な動きをしちゃだめ。手をハンドルにかけて、後ろから警官がくるのを待てばいい。間違ってもダッシュボードに手を伸ばしたり、変な動作はしちゃだめ。やましいことが無ければ普通に振る舞えるはず。

 

忘れちゃいけないのは、警官はいつだって命を張っているって事。彼らだって死にたくはない。危険と背中合わせで仕事してるんだから、恐怖心から権威を振りかざす警官だって出てくるさ。判断を間違う人だって出てくる。彼らだって普通の人間なんだから。それを、捜査に協力せずに車内でもたもたしたりすれば、彼らだって手がピストルにいく。自分をまもらなくちゃいけないんだから。それを絶対に忘れちゃダメ。』

 

次男はやましい事をする云々より、もしPull Overされたらビビッてパにくるに違いない。その点、心臓に毛がボウボウの長男はこういうことを幾度も経験していてすれているところがなんとも兄弟対照的だわ。

 

とにかく、警官がいなかったらこの世の中、というより、このアメリカは無法地帯で暗黒にまいもどっちゃう。もう、ダーティーハリーとか、チャールズ・ブロンソンの世界はごめんだよ!FBI捜査官などより、私はすそ野にいるおまわりさんこそ敬意を表し、信じるしかないと思っている。

 

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と、月曜の夜、いつものように次男と水泳からの帰り道、8時ごろに我が家近くの横道に左折したところでパトカーに止められた。やっちゃった・・・、スピード違反。アメリカに来て丸9年、初めての出来事。

 

45mphの幹線道路から左折して20mphの横道に入るところはよくパトカーが止まっている。毎日この道を通るので普段は気を付けているんだが、この夜はお腹が空いていて、近所に入ったことで気が緩み、『あー腹減ったー」とか思いながら加速しちゃったんだね。すぐに反対車線にライト決して止まっているパトカーが目に入り、『あ、しまった!」と思ったのは後の祭り。おまわりさんはすぐにUターンしてあの心臓が縮む青いライトをクルクルさせて私の後ろについてきた。はい、ライトが着いたと同時にすぐに車を停車させましたよ。次男も『ママ!やっちゃったね~』

 

すぐにスピード違反だってわかった。こういうものさ、事故やスピード違反は忘れたころに突然やっちゃうもの。残念だけど仕方ないと次男にベラベラ車中で吐露していた。ほんと、言い訳ないもん。こういう場合、ポリスはすぐにナンバープレートをまずはチェックする。なので、数分時間がかかり、その間止められた人は車中で大人しくまっていないといけない。間違ってもでちゃだめよ!って、次男に先日言い聞かせたことのおさらいをした。まさかこんなことまで実践するとはねー

 

ほどなくしてやっとポリスが私の窓のところまでやって来た。窓開けて待ってましたよ。私から『スピード出てましたよね。わかってます。ごめんなさい』と、本音。彼も『Yes, Ma'am /そうなんですよね~』って、ゆるい対応。

 

私:わかってます。やっちゃったのを認めます。反論は一切ありません。この界隈に住んで丸9年、毎日ここを通っていて生まれて初めてPull over されちゃいました。それが残念です。あー悔しい(※一気にまくしたて)

 

ポリス:初めてなんですか?いままで一度もないんですか?

 

私:NEVER! 一度もないですよ。子供達やオットは有りますけど(笑)

 

ポリス:(助手席にいる次男を見ながら)Hey you??ママはどうして速く走っちゃったんだと思う?

 

次男:水泳の帰りで、僕を早く家に届けたいって思ってスピード出しちゃったんだと思います。

 

ポリス:そうだね。You know what...Ma'am, 今日はこのままあなたを家に帰してあげましょう。この通りはスピードオーバーの車が多いって通報が多く入るんです。あなたも住んでいるのならご存知ですよね。明日からは気を付けてくださいね。

 

私:わーーーーーさんきゅーオフィサ―――――!ほんとに感謝します!これがWakeup callなんだと思います。ありがとうございます。これからは絶対に気を付けます!(※抱き付いて喜びたかったくらい)

 

ポリス:No problem, Ma'am. Have a good night.

 

笑えるのが、私が止められてポリスとの会話中、その横をめちゃくちゃ低速で過ぎ去る車の多かったこと!普段はアレが私だわ。『あ~あPull Overされちゃってるよ、かわいそうに』とか思って通り過ぎるの。は、体験しちゃった!次男にもいい経験だったわ。次男は『ママベラベラしゃべりすぎ』とか言ってたけど、そりゃあなた、人間窮地に陥ると黙るかしゃべるかのどっちかでしょう。私は後者なのよ、あなたの母なんだから。

 

ってことで、今回はチケットを免れた。大体アメリカでは高校生、特に男子は一発退場、一発チケットを切られるのが常。見せしめね、早めに脅かして事故死の芽を摘まないといけないから。これは正しい。長男も何度もやったわ。オットだって。娘ちゃんだってやった。私は今までスピードはコントロールできている方だと思っていた。こうやって油断する事もあるけど、捕まっちゃったら断然自分のせいだと思っていた。今回は単にラッキーだっただけ。

 

次男曰く、«ダイハードに出てくる太ったドーナツ食べてる警官そっくりだった!»

 

 

ほんと、↑こんな感じの人のよさそうな警官だった。ありがと~オフィサ~

 

ママはおまわりさんに叱られたけど、次男は援護してくれたし、常におまわりさんへの敬意を忘れないようにってことを実践できた課外授業はよかった。

 

日々学びだわ