水漏れの悪夢 | sunset diary

水漏れの悪夢

数か月前、近所のSの家で、大規模な水漏れ事件があった。

彼女の家は、アメリカによくある作りで、2階にランドリールームがある。2階にあると、シャワーから洗濯機、そして乾燥機からそれぞれのベッドルームのクローゼットに近くて便利っていうのが理由。

因みに、我が家はサッカーや泥遊びをして汚い男たちがガレージから入ってくるのに、洗濯物をわざわざ2階に持っていかれたら、そこいら中が汚くなるので、ガレージから家に入ってすぐのところにランドリールームがあるこの家を購入した。

話をSの家へ戻す。

2月の頭のある日、そのFront Load(前面にドアがある洗濯機)の洗濯機のドアが突然バーン!と大きな音とともに開いてしまい、なのに洗濯機が作動したままで、2階がすべて水浸しになってしまった事があった。彼女は寝ていて、バーンって音はうろ覚えで聞こえたらしいが、まさか洗濯機だとは思わなかったそうだ。

で、起きて自分の部屋を出た時、そこには目を疑う光景があった。廊下が向こうまで一面光っていて、ぴちゃって足が濡れて「心臓発作起こしそうな」ほど、クラクラしたらしい。

2階は彼女のベッドルームを抜かしてすべて水浸し。一階へおりると、キッチンの天井のライトから水がしたたり落ちてきていた。水はガレージ側へ流れていたらしく、ガレージの天井から壁をつたって水がどんどん流れていた。

とにかく、次の日保険会社が直ぐに家に入り、彼らが手配したRestoration(床などの修復をする人達)のクルーが、その日のうちに38個の大きな扇風機と、6個の除湿器を家に持ち込み、1週間かけて家の中をまずは乾かすところから始まった。時は2月初め。外は寒いので窓を開けられない故、乾燥に時間が掛かっていた。その間、2階の床(すべてHard Wood)をひっぺがえし、その下の板の取り換えが始まった。はじめの数日は、彼女たちもまだ家に住んでいたが、大型送風機が余りにうるさくて、途中からホテルに逃げていた。私の中にいれてもらったけど、湿気と騒音とで気が狂いそうになった。

この間、彼女に我が家のランドリールームを開放していてあげた。彼女の息子二人のラクロスの洗濯物が一杯なのは想像ついたし、初日に水浸しだった床をふいたバスタオルなどの大きな山もあった。私自身、食洗器が壊れた時よりも、洗濯機が使えなかった時の方が数倍大変だったのを覚えているので、真っ先に彼女にオファーした。

ウチの次男も協力的で、乾燥機が終わったら、彼女の家に届けにいってあげていた。こういう時は、恐縮している彼女が来るのをまつより、こちらから引き取りに行ってあげたほうが預けやすいからね。喜んでくれて私もとてもうれしかった。

なんてったって、2階の床が入らない限り、新しい洗濯機も入れられない。しかも、保険が絡んでいるから、これらが中々進まない。結局、保険会社が肩代わりした額は$40,000。これにはまだホテル代は含まれていない。保険会社は、洗濯機を欠陥商品として、製造元のLGを訴えることになったらしい。どうなるんだろう。

とにかく、床を張り替えるっていうのは面倒なプロセスで、一か所だけを張り替えればいいだけでなく、つながっているすべての床を同じ色にするため、1階部分はすべてを一度削り、色を塗ってワックスを塗ってって、この工程が9日掛かる。劇薬を使用するので、もちろん家に立ち入れない。

その後、やっと入居出来たかと思ったら、今度は一階に欠陥部分があり、また一角をやり直さなければいけない事態に陥った。また「5日ほど家を空けてくれ」と言われた。

彼女の苦悩はこれで終わらない。

私がマイアミでテニス観戦中に、彼女からテキストが入った。丁度この頃、彼女たちがこの2度目の床の修理の件で、またホテルにいっていると思っていたところだった。

『カナダにいる兄が今朝、心臓発作でなくなったの。今から家族みんなで車でいくので、家をまた1週間留守にするの。郵便はLがみてくれるけど、床の業者は私たちが戻ってくる3日前くらいから作業を始めることになったの。Schatziには言っておくわね』って事だった。

テキストじゃなんだから、直ぐ電話をしたら、本当にもう運転中だった。2日くらいかけていくって事だった。(帰りはなんと38時間、給油だけでぶっちぎり走行して帰ってきた)

カナダから帰って来ても、ここの自宅はまだ2度目の床の修理が終わってないから入れない。郵便をとりに来ただけで、そのまま彼女たちはまたホテルに数日泊りに行った。その時、ちょっと立ち話しただけだったけど、心身ともに疲れているはずなのに、4人ともよく頑張ってる感じがけな気だった。

そして先週火曜日の夜、予定通り彼女たちはやっと家に戻れたようで、夜、彼女の家の中の明かりをみてうれしく思った。

2月から続く水漏れ騒ぎから、家族の不幸と続いていて、本当に疲れている様子だったので、次の日は顔を合わさず、お花だけ届けてきた。彼女は家に帰ってくるのもいつも7時過ぎで遅いから、帰ってくる前に子供に渡しておいた。『みんなよく頑張ってるね。これ、ママが帰ってきたら目につくように、キッチンカウンターに置いといてね』って伝えておいた。

隣のロリーも、Sが帰ってきたのが分かったので、マフィンを焼いて届けに行ってきたそうだ。みんな気になるんだよね。

この水漏れ事件にはまだ続きがあって、水曜日に業者が冷蔵庫のホースを蛇口につないだところ(※冷蔵庫の氷と飲料水への供給の為のホース)、今度はそこから水漏れして、しばらくしてから冷蔵庫の前の方に水たまりができているのを発見したそうだ。これは明らかに業者のミス。

はっきり言って、これってジョークですか?って感じ。アメリカではよくある事だが、家電の質が悪いとか、修理工や取り付け工事をする人がいい加減ってことが、飽きれるほどよくある。


彼女の苦悩はここで終わって欲しい。