オルフェウスの窓に思ふ | sunset diary

オルフェウスの窓に思ふ

$sunset diary

先週、sarahoctavianさんが手塚治虫の秀作、「アドルフに告ぐ」を読まれていたのに感化され(?)なぜか「オルフェウスの窓」に手が行ってしまいました。

オルフェウスの窓って、南ドイツ・レーゲンスブルグ、ウィーン、ロシアが舞台ですけど、私もsarahさんの様に、ドイツに引っ越してきてから新たにこの文庫本タイプを大人買い(一気買いとも言う)したクチです。少女時代に読んだとき、私もどう感じていたんだろうか?もう忘却のかなたにあって思い出せません。(※8巻だと思っていたら、9巻ありました…)

当時、我が家から1時間余りのドライブで行けたレーゲンスブルグ。たまたまあそこに行った時に『オルフェウス』を思い出し、次の里帰りで本を購入し、数年後にまたレーゲンスブルグに行ってみました。神殿の周りを歩いたり、橋を渡ったりしたとき、数人で行動していましたが、私だけがこの漫画の世界に浸っていました。

--こういう時、日本人と一緒だったらもっと違った楽しみ方が出来ただろうなぁ--

ストーリーには、『ウィーンの冬は、レーゲンスブルグのそれより厳しいもの…』というくだりもありますが、あの冬の寒さを両方知っているので、今回、アメリカにて再読した際は、以前よりもしみじみと南ドイツ周辺の寒さと暗さの記憶が蘇ってきました。特にウィーンの冬って、建物の壮大さと石畳が相乗効果をもたらし、どんより空がニュールンベルグやレーゲンスブルグより重く感じるんですよね・・・。

作者の池田さんの表現、彼女は実際にあそこに長く暮らしたことがあるんだろうか?ってくらい表現がリアルです。今回は自分があの国に住んでいないので、余計その辺りの表現力のすばらしさが感じられました。恐るべし池田理代子…。

そして一つ誤訳を発見。というか、読み方が間違っているというもの。

ユリウスの母、アーレンスマイヤー夫人が若き頃、オルフェウスの窓の下でヘルマン・ヴィルクリッヒと運命的な出会いをし、以来2人がお守りとして持つことになったゲオルグ・スターラー。

…スターラー、なんかヘンですよね?これ、ドイツ語にするとGeorgstaler になりますが、Georg はSr.Georg の事。 Taler は硬貨の意味です。間にあるsは、単なる名詞の所有格のsですから、カタカナで切るなら、ゲオルグス・ターラーが正解。

ですよね、sarahさん?


なんてことない間違い探しでした。それと、歴史解説が適切で質の高い極上漫画には違いありませんが、『アドルフに告ぐ』にマケズ劣らず、拷問やら強姦やら、大戦前の世の中の廃れたモラルの描写が激しく、この漫画も16歳以上対象が適当だと思われます。内容濃すぎ…。


     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


最近、次男がハマっているロマン『オデッセイ』。オルフェウスの窓はギリシャ神話がストーリーのバックボーンになっているんだけど、次はギリシャ神話を読みたくなったかも。神話とか古代ロマンとかって、とってもワクワクするんだよねって、私くらいだろうか?

しかし、ドイツ語だと一気に読む速度が遅くなるんだよな(_ _。)