アンネの遺した言葉(1) | Dear Anne

Dear Anne

「外をながめて、自然と神様のふところをのぞいたとき、

わたしは幸福でした。

とても幸福でした。」

アンネを捜す心の旅。生誕80周年。


心のアンネ・フランク

アンネの遺した言葉(1)

「勇気を持ちましょう!ユダヤ人としての使命を常に自覚し、
愚痴は言いますまい。解決の時は必ずきます。神様は決して
私たちユダヤ人を見捨てられたことはないのでしょう。多くの時代を超えて、
ユダヤ人は生き延びてきました。その間ずっと苦しんでこなくてはなりません
でしたが、同時にそれによって強くなることも覚えました。弱いものは狙われます。
けれども強いものは生き残り、けっして負けることはないのです!
(中略)・・・もしも神様の思し召しで生きることが許されるなら、
つまらない一生で終わりはしません。きっと世の中のため、人類のために働いてみせます。
そして今、私は考えます―そのためには、なによりもまず勇気と、
そして明朗な精神とが必要だと!」
【1944年4月11日(火)】

「愛情、一体愛情とは何でしょう。私の信ずる愛情とは、本当の意味で
言葉に言い表すことは出来ない何かです。愛情とは、相手を理解すること、
相手を気遣うこと、良きにつけ、悪しきにつけ、それを相手と分かち合うことです。
そして長い目でみた場合、なにかを受け取ります。たとえ結婚して
いようと、あるいは子供があろうと、そんなことは問題ではありません。
たとえ純潔を失っていたとしても、もしもだれかがそばにいてくれて、
死ぬまで自分を理解してくれる限りは―他の誰との共有でもない、
自分ひとりの誰かがいてくれると分かっている限りは、そんなことはちっとも
問題ではないのです。」
【1944年3月2日(木)】

(『アンネの日記 増補新訂版』深町真理子訳)