昨日の続き。


昨夜からの大雪で

路面状況が芳しくないため、

電車で通勤することに。


電車に乗って二駅ほど過ぎた

9時40分頃、

仕事用携帯が鳴った。

電話機の調子悪く、

なかなか応答できずにいると

切れた。


そして間髪入れずに

私の携帯がなったので、

慌てて取った。


車内の騒音でよく聞き取れ

なかったが、

「すぐに病院に来て下さい。」

だけ、はっきり聞こえた。


「危ない感じですか?」

と尋ねると

「心臓止まりました。」


「あ、止まった…。

わかりました、向かいます。」


次の駅で降車して

反対方向の電車に乗り換えた。


1時間弱で到着し病棟へ。

担当の看護師が母のベッドに

案内してくれた。


身体はまだ温かく

その顔は、ここ数年

見たことのないくらいの

穏やかな顔だった。


うっすら微笑んで

いるかのような柔らかい表情。


今にも薄目を開けて

ニヤリとするのではと思った。


肩を叩きながら

「ちょっと何やってんのよ。」

と言ってみたが、

今回は目を開けなかった。



その表情を見て

悲しさはなかった。


ここ数年、腰の痛みや

白内障、緑内障による視力低下

による体調変化で辛かったと

思う。

また、お気に入りの服を着て

出掛けるのが好きだったが、

自力で動けなくなってしまった

もどかしさ。

そして父と離れてしまった

寂しさなどと闘って

来たと思う。


それらから解放され

楽になったんだと思った。


ドクターからの説明は

【NPPV】を装着し

一旦はCO2の値が下がり

快方に向かったが、

その後急激に脈と血圧が低下

したとのこと。

結果、人工呼吸器を

つけたところで、

心臓がもたなかったと

思いますとのことだった。


葬儀屋の手配をして

病院スタッフとともに

お見送り。


その後、自分でも不思議なほど

爽快な気分で職場に

向かった。

母に背中を押されている

気がしていた。


お母さん、今までありがとう。

辛い時、力になってくれて

ありがとう。


ひ孫に会わせて

あげられなかったのは残念…。


でも近くで見守って

くれているような感覚がある。