コロナ感染で

入院していた母に

退院の許可がおり、

先日退院した。


父はたった一度のコロナで

命を落としたが、

二度目も生還を果たした母。


肺がんと非結核性抗酸菌症の

既往があり、

肺は弱いはずなのだが

気力と運命なんだろうな。


思い起こせば2021年の

年明け早々の深夜、

一本の電話で起こされた。


「〇〇救急です。

119番要請があり出動しました。△△(母の氏名)さんが浴室で

心肺停止の状態です。」


えっ!?

あれほどお風呂には一人で

入るなと言ってあったのに。


電話の向こうから別の男性の

大声が何やら聞こえた後、


「脈は少しあるようです。

今から搬送します。」


病院での医師の説明によれば、

搬送時の

体温28℃、脈拍20台。


ありゃ〜、今すぐ死んでも

おかしくない数値だわ~。


「ひょっとしたら今日

何があってもおかしくないという

状態です。」


少しだけ会えると言うので

面会。


肩をバンバン叩きながら

「ちょっと、どうしたのよ?」

と声を掛けると

かすれた小声で

「死んだ〜。」


それを聞いた時、

この人まだ生きるなと確信した。


二度目は2022年秋。

何度もくり返す腸閉塞を発症。

今回はたちが悪くオペになった。


オペ後何日かして

状態急変。

病院に呼ばれ血液検査の

データを見せられた。


医師曰く

「このデータははっきり言って、

亡くなる寸前の人と

変わらない値です。」


それでも今、生きている。


医師から説明があるたび、

「延命は一切しないで下さい。」

とお願いするが、

やや超越した勘を

持ち合わせている母は、

きっとそれを察知して

「なんだって~!ムキー

と奮起しているのだと

思っている。