週末に宇都宮まで行って、民間稲作研究所
のシンポジウムに参加してきました。
内容は有機稲作に関する具体的な技術から、放射能に関する取り組み、またネオニコチノイドの現状についてなどなど、とーっても濃い内容でした。
有機水稲技術の最新知見について。
・抑草技術。アミミドロの発生が有効的である。アミミドロと米ヌカとの関係性。発生メカニズムの推測。
・生育促進技術。身近な有機物の有効利用。米ヌカなどの利用条件と効果に対する考察。発酵肥料の効果。
・育苗技術。移植時期、植え代。
・カメムシ防除技術。天敵の利用。発生条件、環境など。
データで裏付けされた内容が多く、とても興味深い内容、さらにどれも話しがオモシロかった!是非、実践していきたいと思います。
放射能については、実際に原発から3kmのところで営農されていた農家さんから実際にお話しを聞くことができました。
・現状では未だ全くの補償金も支払われていない。(入口にも入っていない。)
・補償対象には全て領収書が求められるが、そんなもの全て残っているはずがない。
・補償額は原発事故時の減価償却した価値で補償されるため、当然その当時の設備や土地、(もちろん宅地や家)を揃えることは不可能。
つまり、東電の条件に素直に従ったら当然廃業するしかないし、何処かに以前と同様の土地や家を構えることは不可能だということです。もう2年がたとうとしているのに。
その方は最終的には訴訟になるのではないかとおっしゃられていました。でも相手は東電、後ろ盾は日本政府です。勝っても負けても長く壮絶な戦い、心身ともに疲労困憊になる可能性が大きい。なんとかできないものか。とても衝撃的な内容でした。
作物のセシウム移行係数についても話しがありました。自分達で自主測定した結果、農水省の発表と乖離があったことや、口に入る量でベクレル表示して考えるべきではないかという議論が繰り広げられました。確かにそうだと思います。アレルギー的に放射能を拒絶してしまうなら精神的に食べない方がいいとは思いますが、消費する側ももっと勉強する必要性、それを促す必要性を感じました。無下に『食べて応援』を否定するのは農家の方々を前にして全くの間違いであることに気づきました。
次に避難区域ではないですが、計画的避難準備区域で作付け制限がされている地域での取り組みについて。グリーンオイルプロジェクト
。これはとても素晴らしかった!
・汚染されている農地で菜の花、ひまわり、大豆(セシウムの移行率が比較的高く油が抽出できる作物)を栽培し、油を抽出する。
・油には全くセシウムが移行しない。
・作物は有機栽培。
・油を加工するのも廃油を利用して電気を起こしエネルギーを循環。
・油を抽出したあとの残渣は灰化しセシウムを濃縮、閉じ込めて保管。(高濃度で密閉保管することで、東電や国の保管対象へ。)しかもそこで発生している熱エネルギーも加工所のエネルギーとして使用。
農家が実施する除染には一切予算がついていない。予算がついていないため作物を売らなければならない。そんな過酷(もっというなら残酷)な状況の中で持続可能で希望ある事業。本当に素晴らしい。是非、全国に広まって欲しいと思います。特に贈り物や引き出物などにはピッタリ。従来の油(キャノーラ油などの安物)は遺伝子組み換えを使用し、当然高熱で使用するためトランス脂肪酸など身体にはとても有害です。
このプロジェクトを立ち上げた民間稲作研究所理事長の稲葉先生は、これらの作物を『神様からの贈り物』と言われていました。こんな事故がなければこの作物の特性にも気付かなかった。こんな作物が世にあること自体が神様の仕業であるということです。この発想にもとても感激しました。僕らはまだ生きながらえるチャンスを頂けたのかもしれません。
最後にネオニコチノイドについて。これは時間の都合上、さわりしか聞けませんでしたが、言わずとしれた重い内容。ミツバチの激減や人・その他の生物に与える深刻な悪影響など。
ざっと簡単に列挙しましたが、とても重く有意義な内容でした。
こっからはぼくの勝手な所感です。
経済を最優先させてきたつけが大きな歪となり世界中で表面化してきました。地球自身が教えてくれています。バランスを取り戻せと。お金を優先させた結果、お金では解決できない大問題が発生してきてしまった。
以前、聞いた言葉を思い出しました『人は間違えるが自然は間違わない(安曇野シャンティクティ臼井さん)』。もう人間が間違いを認めるタイムリミットであると強く感じました。
PS1:
東日本の農家の方々はこんな厳しい状況下でも希望を持って活動されていました。ほんとに逞しい!
PS2:
ホテルで同部屋だったのが那須の成澤菜園
の成澤さん。那須も北関東ですが野菜の汚染はありません。ほぼ一人で2町歩を営農されているとのこと!しかも子宝に恵まれなかったため、震災孤児を3人引き取って育てられているそうです。とてもぼくには真似できない、本当に素晴らしい方でした。機会があれば是非遊びに行きたいと思います。