「辞める」という決断は 社会人としての果たすべき責任をはっきりと自覚させたのです。学生時代のような気分ではなく、給料に見合った責任があることを認識させたのです。
この認識によって 責任感のないやつに権利がないことを自覚したのです。認められたいのなら 責任を果たしてからでなければ権利を主張できないことを自覚したのです。責任を果たしていない人間を誰が信じるのでしょうか?そんな人の話は 誰も聞き入れることはありません。
言い換えれば 店の利益になることであれば なんでもやってよいことになります。このことに気づいてから 基本通りにしていない自分を肯定できるようになりました。
その結果 店長をしながら、「ヘアメイク」の仕事をしたいという提案をし、実行に移すようになりました。
ただし、営業時間中、スタジオ撮影やロケなどに参加するために ギャラは 全て店に入れるという約束をしました。これは 働きながら 「ヘアメイク」という職場を経験できるようになりました。そして その経験は 毎日営業で行っている仕事音は全く違う視点で行われていることを知りました。具体的に言うと
美容技術には 二通りの作り方があることを学びました。それは 彫刻のように個体を削って形をつける方法と、彫塑と呼ばれる土台を作って起きその土台の上に形をつけてゆく方法があることに気づいたのです。
前者は カット技術です。後者はセット技術やメイクアップなどです。
「ヘアメイク」は基本的に カットできません。カットせずに形を創ってゆく技術なのです。全く違うのです。
簡単に言うと カット技術は 形を大きくすることができませんが、大きくすることによって どんな顔の大きさの人にも対応できるようにした柔軟な対応力を持った技術なのです。
写真に撮った時にどのように映っているのかを前提にして 創らなければいけないのです。言い換えると 映らないところは 何よやっても良いいのです。短ければウィッグを使えばいいし、長くても短いウィッグでごまかすのです。どうしたら綺麗に見えるのかどうしたら、老けて見えるようにできるのか?しわやたるみをライティングによって消したり、逆にしわやたるみを書き込んだりするのです。「化かす、だます、ごまかす、隠す」という美容技術の基本が満載なのです。照明の基本的考え方、二次元の中におけるデザイン構成の方法、いろいろな仕事をそばで見ることができ、流行を創っているという実感を体験できました。
「ヘアメイク」の仕事をするようになってから 美容技術の施術の視点が全く違っていたために 驚きの連続でした。
このことに気づいてから さらに誰にでも対応できる美容技術を身に着けることができるようになりました。
この気づきは、落ち込む原因にもなりました。それは インターンになると同時に店長になってしまったために サイズを合わせる方法を学ぶことがなかったのです。サイズを合わせることができれば 誰にでも簡単に似合う髪形を提供できることに気づいたからです。「サイズを合わせる」という基本的なモノづくりの方法を学んでいない自分のコンプレックスになりました。
しかし、すでにお客様に当たっていたために 施術方法を切り替えて サイジングを基本にして営業するようになりました。
データ美容は この2種類の美容技術の良いところをピックアップし、サイズを合わせるという技術なのです。
