あまりに無謀な「コンテスト出場」は 思い上がりも甚だしいことは 十分承知していました。今までの自分だったら まずできなかったことですが、そんな決断も 自分を捨てた結果できたことであるともいます。
この時、美容業界の懐の広さを案じました。自分自身の可能性を とことん追求できるところであるということも感じました。石橋をたたいて渡る慎重派の人間が 周りのことを気にせずに しっかりと手を伸ばして手に入れようとするようになりました。手を伸ばしても届かなければ どうすれば届くようになるのか?考えるようになり、自分自身の目標がはっきりと見えるようになりました。
そんな思いで出場したカットコンテストでは さらに 思いもよらぬ出来事が待っていました。この時、人数が多かったので 二組に分けて予選があ行われました。その予選で 私は トップ通過してしまったのです。
なぜ トップ通過したのがわかったかといいますと、コンテストを主宰する4店舗ンおなかの店の一つであったために 手の空いている人は裏方をやることになっていました。私は その裏方の中の集計結果をまとめるところに配属されていました。そして 集計が行われた時、集計係をまとめている竹内千代子店長が、「トップの○○番の人って誰ですか?」と集計係の人に聞いたのです。
そして その答えは 私の番号だったのです。
一番驚いたのは自分です!そんなはずはないのです。入賞しようなどとは考えていないし、練習するための踏み台でしかなかったのですから。
それに 入店して一年もたたない新人が入賞したら、先輩たちの立場がないではありませんか?
結局、入賞はしませんでしたが、私には 「なぜこのような間違いが起きたのか?」という疑問が残ったのでした。
そして この間違いは 後々判明するのですが、理論的に考える技術者の視点と 直感的に感じ取るお客様との視点の違いが作り出している「錯誤」であることに気づくのです。
理論的に考える技術者の視点というのは 指示された理論に基づいて考えうる可能性を探るのですが、お客様たちが案じる直感的視点というのは 理論に基づかない美容の無限大の可能性を直感的に当てるのです。
データ美容のお客様たちが 知らない人たちの「その髪型どこでやられたのですか?」と聞か
れるのは 無意識に認識される直感的な美意識を感じるのです。
この後私は このお客様たちの「直感的美意識の存在」を体験するのです。「直感的美意識の存在」というのは 簡単に言うと「審美眼」のことです。美醜を見分ける能力のことです。無意識に認識される感覚なので 視覚化することができなかったのですが、デジタルカメラで写真にとることによって 「ゲシュタルト崩壊」=「見慣れる」という脳の働きに邪魔されることがなくなり、具体的な変化を視覚化できるようにしたのです。
「見慣れる」ことにって「変化していない」という認識だったことが 確実に変化していることが認められるようになり、美容デザインの可能性が大きく広がったのです。
結果的に 私の視点は お客様の視点と同じように 黄金比率に修正することによって 直感的な美意識を手に入れ、仕上がりに反映させていたのです。
このからくりは 簡単なことです!髪形のサイズを顔のサイズに合わせるだけです。洋服にしても 体形に合ったサイズの服を選べば 誰でもきれいになれるのですから 原理は簡単なのです。
ただ、 サイズをあわわせる方法が ありませんでしたから 私が 洋服サイズを合わせる方法を真似しています。つまり、目に見えている違いが1センチだとしたら、3センチ大きくするという原理です。ズボンのベルトも3センチ刻みですからね。
その後、この方法を取り入れてデザインすることによって 多くのお客様たちの支持を集めていたのです。
黄金比率に修正するというのは 「フェイスマップ」を使って 黄金比率にする方法を具体的に実践することです。
その後、この方法を使うことによって 信じられないような仕事が舞い込んでくるようになります。