実は この研究発表は自分でやろうと思ってしていることではありません。お客様たちの強い要望に後押しされて やらされてきたのです。美容業界の内情を知らない私には 未知の世界でした。

 

 入店して1年後から 教えられた基本通りの施術をしなくなり、自分勝手な方法でやり通してきたので 美容業界の現実を全く理解していませんでした。発表するようになってから 美容業界のことが少しづつわかるようになったのです。

 

 そして 2015年に獣医生命科学大学で美容師さんたちを前に発表したとき、はじめて美容師さんたちが サイズ合わせの方法を知らないことを知ったのです。帰りの電車で一緒になった美容師さんが、「どんなに頑張っても 思い通りの仕上がりができないので もうやめようかと悩んでいる。」といったのです。

 

 はじめて 美容業界に「サイズを合わせる」という観念がないことを知ったのです。サイズを合わせれば簡単に似合う髪型ができるのです。

 

 それからです。なぜサイズ合わせ書きできないのかを知るためにゲシュタルト心理学を勉強したのです。つまり、脳の中で何が起きているのかを知るためです。

 

 そして 「ゲシュタルトの法則」を読んだとき、 「なんだ、ここに何がどう見えるのかが書いてあるではないか。」と気づいたのです。

 と言いますのは 私は双子として生まれて来ました。なぜ似ているから間違えるのだろうかという疑問がずっと頭の中になりました。自分たちは それほど似ているとは思っていませんでしたから、ずっと疑問に思っていたのです。

 それが 「近似の法則」や「類同の法則」が起き、そこにゲシュタルト崩壊が起きるために 見間違えるのだということが分かったのです。

 このことに気づいてから 無意識に脳で起きている認知システムを理解できるようになったのです。理論的にこうしたゲシュタルト心理学の内容が入ってくるので さらにわかりづらくなっているのかもしれません。

 

 しかし、基本は サイズを合わせるという簡単な方法なのです。フェイスマップを使えば デッサンを覚えなくても簡単にサイズ合わせができるのです。