原田勝己先生というのは 私が初めて務めた美容室の社長です。

 

この人は 私にたくさん失敗をさせてくれた人です。無謀な試みに対して「NO!」と言わず、チャレンジさせてくれました。

 入店後8か月にしかならないのに、カットコンテストに出たいといったとき、許してくださいました。そのコンテストは、11か月目に行われ、予選をトップ当選してしまいました。

 

 このことをきっかけにして なぜそんな間違いが起きたのかを考えるようになったのです。これが研究のきっかけです。

 

 そして 私がインターンになると同時に「店長」という役職を命じてくださいました。実は私、この頃には 免許を取ったら絶対に美容師をやめようと決心していたのです。全く出世欲がなかったので、免許のない私を店長にする無謀さにびっくりしました。

 もちろん断りました。あと1年すれば転職できるのだから 今更苦労することもないと思っていたのです。

 

 しかし、粘り強い説得に負け、仕方なく引き受けることになりました。この時私は 「失敗させてもらう。」という覚悟で受けたのです。

 ところが このチャレンジは 失敗どころかすべて自分にとって新しい世界が広がり、視野を広げざるを得ない状態だったのです。

 とにかく インターンが見習いを使って仕事をするのですから毎日が必死です!だから、自分のやっていることが 成功なのか失敗なのかもわからないような毎日でした。とにかく苦しみぬいた毎日でした。

 

 ところが 店長になって9か月たった頃スクーリングがありました。その時 友達が「うちの店長ってすごいんだぞ!この前の日曜日は 1日に32人もこなしたんだぞ!」と自慢げに言ったのです。

 それは 私も1週間前に1日、31人のお客をこなしていたので、思わず、「俺もこの前、31人やったよ!」と言ってしまったのです。夜10時ぐらいまでかかりましたが、へとへとになりながら何とかこなしたのです。

 

 ところが 周りの友達の目線は冷たいものでした。目線が冷たいことは はっきりとわかりましたが、なぜなのかは全く分かりませんでした。

 ただ、これからは 自分に起来ている幸運は 絶対に口にしないと決めました。

 

 カットコンテストが予選トップだったこと、インターンになると同時に店長になったこと、そして1日31人やったことも口にしないと決めました。

 

 実は 私は そうしたことが「幸運」であることに気づいていなかったのです。ただ毎日の仕事量が多く、店長っていうのは大変な仕事なんだなー!自分は甘いなーと反省したのです。

 

 原田勝己先生は 私に対して 無謀と思われるほど広い心で見守ってくださっていたのだとつくづく思います。

 こんな体験ができたのは原田先生のおかげです。

 

 本当に良い指導者の下で働けたことに感謝します!ご冥福をお祈りします!