「ゲシュタルトの法則」というのは 私たちの脳が無意識のうちにどのように「形」を認識しているのかを理論的に説明したものです。

 「近似の法則」「類同の法則」「連続の法則」「閉合の法則」「運命共同の法則」「面積の法則」「対称の法則」の7つになります。これらは デザインするときに必ず必要な知識です。脳がどのように勝手に想像し、どのように形を認識しているのかを教えてくれます。「みなし予測の法則」と同じ意味です。つまり「感性」と呼ばれる曖昧な感覚的言葉を具体的に視覚っ化し、学ぶところなのです。

 つまり、デザインするための必要最低限な知識なのです。

 例えば 「近似の法則」について考えてみましょう。

  この2枚の写真の違いをに比べてみてください。顔と、髪型という二つの要素を一つの頭部の形として認識しています。

 

 顔に変化はありませんが、髪型の高さが違っています。高さが違うことによって 脳は勝手に右側の方が顔が引き締まって小さく見えていると判断します。

 つまり、髪型の高さ(大きさ)を変えることによって 顔自体に変化が無くても顔自体が変化して見えるようになるのです。

 左の写真は高さが無く横幅が広く見えます。右側は 高さが増し横幅を狭くすることによって顔の形が整って見えるようになります。

この2枚の写真は 合成しどれだけ違いがあるのかを視覚化したものです。具体的には これだけの形の変化があるのです。

 

目に見えている視覚情報では高さが2~3センチしか高くなっていないのですが、実際の髪の毛の長さは 6センチ~9センチ長くしてあるのです。

 この時、「ゲシュタルト崩壊」、つまり「見慣れる」という働きによってそれほど違いが無いと感じるようになるのです。

 

 「近似の法則」「類同の法則」「ゲシュタルト崩壊」という脳の働きによって 見えているはずの視覚情報に大きな変化を起こすと同時に、その違いが「それほど変化していない」という認識に変えてしまうのです。つまり、「元が奇麗だったのだ。」という錯覚を起こすのです。

 

 これが美容技術における「化ける」というテクニックなのです。