当時の私の職場環境は 最悪でした。

 

朝9時から夜9時までの12時間労働。おまけに通勤時間が重なり、朝、6時50分に家を出て、家に帰りつくのが夜10時半。

 

そんな環境の中で3年で技術者になれるわけがないのです。ステップアップするための練習時間は どうするの?と自分に問ただした。

 どう考えても無理だと思った。この時から 辞めるための綿密な計画を立て、行動に移した。

 

 大学を出てから商社に就職したにもかかわらず、美容師の道に転職したのだから 3年間は辞めるわけにはいかなかったのです。

 

この時から 私の人間性が、ガラッとかわったのです。辞めるために なりふり構わず、必死に努力し始めたのです。3年間の間だけ我慢すれば済むことだと 自分に対して言い訳したのです。

 

この決心をしたために 毎日居残り練習をすることにしたのです。最終電車までの時間、練習です。おまけに シャンプーの練習をするためには 先輩たちの頭を借りなければチェックしてもらえないので、周りの人たちを巻き込んで練習し始めたのです。

 

その結果 私の「辞める」というひそかな決心は 思いもかけず、「熱心な人だ。」という評価に変わっていたようなのです。

 

そして この頃から 私の人生が驚くほどの幸運に恵まれ始めたのです。

 

今思えば幸運だとわかるのですが、当時の私は 辞めることしか頭に無くて その幸運が見えていなかったのです。消極的な人間が 驚くほど積極的な人間に変化していたのです。

 

挫折によって 自分の生き方が 大きく変えられていたのです。