太陽光発電の政府公式コストは過積載が前提 | 元太陽光発電技術者の道楽ブログ

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30年余り太陽光発電に携わってきましたが、リタイアすることにしました。
これまでの経験を活かし、我が家の屋根太陽光発電や購入した分譲太陽光発電所の状況・運営・評価などをはじめ、太陽光発電の技術に関連したことを中心に呟いていこうと思います。

先日、太陽光発電のFIT買取り価格が2020年代半ばに現在の半分になるというエネ庁発表を紹介しましたが、もう少し詳しい記事がありました(政府が太陽光発電のコスト目標を見直しへ)。

 

買取り価格を下げた経緯などはもう判った話なので特に触れませんが、この記事で関心があるのはFIT買取り価格引き下げのベースになる太陽光発電コストの詳細です。下表のようになっています。

 

今後の参考になるかなと表を見ていると、はぁーーー??? これちょっと高すぎるのじゃないの? このモジュールコスト。現状で19.5万円/kW、つまり195/W? うっそー。これを将来に11.5万円/kW、つまり115/Wに? うっそー、今でもこれより安いでしょう。これでどうやって7/kWhになるの? と、思いましたが、設備利用率を見ると現状14.3%、将来は19.8%。えー。こんなに高いの?

 

あ、なるほど、これは過積載を前提としているわけですね。

 

しかし設備利用率19.8%にもなるような過積載って、過積載率どれぐらいなのでしょう。200%ぐらいでしょうか。もうちょっと低いかな(160-180%?)。過積載にして、パワコン出力ベースでコストを出していると高くなりますね。そうだとすると、パネル出力ベースでコストを再計算すると半分ほどになって、5.7万円/kWぐらいですか。それでも将来コストとしては高いなとは思いますが、やはり日本の高いコスト体質を引きずっているのですかね。もっとも、これはモジュールコストに対しての話で、ほかのコストは関係ありません。工事費などはちょっと安いかなという気さえします。

 

なんだかんだ妙なところがありますが、結果として将来の目標コスト7/kWhは妥当な値だと思います。ただ、モジュールコストは過積載前提なので、市場価格とそのままは比較できません。ほかのコストも怪しいところがあり、どの値もちょっと使いにくいですね。

 

まぁ、これからのFIT太陽光はかなりの過積載にすることが前提となっていると判っただけでも収穫がありました。

 

 

 

 

 

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