HITというのはサンヨーが開発した太陽電池技術で、アモルファスシリコンと結晶シリコンを組み合わせて従来の結晶シリコン太陽電池の効率を大きく向上させました。現在でもパナソニックの太陽電池で採用されていますし、世界をリードできる日本の独自技術として注目を集めていると思います。
一方、ヨーロッパでは結晶シリコンに保護膜を使って効率を向上するPERCという技術が開発されています。HITとPERCは対抗した技術という感がありますが(PERCはHITのライバルかな
)、私としては日本の独自技術であるHITに頑張って欲しいなという気持ちを持っていました。
ところがPERCは世界の多くのメーカーで採用されているのに対し、HITはパナソニックだけなので若干寂しく思っていました。HITに使われているアモルファスシリコン製膜は少しノウハウのいる技術なので、それがネックなのかなと思っていましたが、そこにカネカもHITをやるというニュース(「ヘテロ接合型」の量産を開始、カネカの太陽光パネルに転機
)を見ましたので頼もしく思っています。もっとも記事によると昨年からHITを始めていたようですが、気がつきませんでした。
カネカは80年代からサンシャインでアモルファス太陽電池の研究に参画していましたから、アモルファスシリコン技術についてのノウハウを蓄積していると思います。これまでカネカはこのアモルファスシリコン技術を使ってタンデム型と言われる太陽電池を作っていましたが、「ヘテロ接合型」のHITに切り替えるようです。
私がHITに期待しているのは、これが日本の独自技術という点もありますが、他にも次のような理由があります。
l アモルファスシリコンを発電層として使っているので結晶シリコン単体よりも発電効率が高くなる可能性がある
l アモルファスシリコン製膜はノウハウのいる技術なので、簡単にはコピーされない
これまでの結晶系シリコン太陽電池は意外に簡単に作れたため、後発の人件費の安い国に追いつかれてしまい残念に思っていました。HITなら対抗できる可能性があります。
さて、これでHIT陣営は2社になったのかな。頑張って、どんどん効率を向上していって欲しいですね。
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