こんばんは。

大好きな安城市の在宅医療に貢献したい!

日だまり訪問看護ステーション

看護師 山田万理です。

 

明けましておめでとうございます。

日だまり訪問看護ステーションのモットーは

『病気や障がいがあっても

自分らしく最期まで

幸せに生きる』を支えたい です。

スタッフ一同、力を合わせて

日々精進致します。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

日だまり訪問看護が

年中無休24時間体制なのは

命に小休止がないから

利用者さんと介護者の光でありたいから

 

年末年始は病院、クリニックが

長期の休みに入ります。

そういう時に限って

体調を崩す利用者さんがいます。

 

がんの末期状態で

1日1日状態が変化したり

いつもと様子が違うけど

受診する程じゃないのか?

様子見していたら悪化していくのかなど

判断に迷うことがあったり

初めての症状や緊急事態が起きて

介護者が対処できずに困ったり

 

そういう時の相談窓口があると

安心して自宅療養できると思います。

 

それにしても昨年末から元旦の今日まで

異常事態と緊急コールが多かった。





12月28日は乳がんの治療期で

状態観察と自壊創の処置のために

週1回訪問しているNさんが

右太もも付け根の痛みで

トイレとベッドの往復がやっとの状態に

なっていました。

 

もともとは料理もするし

入浴、自壊創の処置も自分でしています。

介護度は『要支援1』で

ほぼほぼ日常生活は自立しています。

 

ほとんどベッドに寝ている状態で

起き上がりで激痛が走り

ベッドに腰かけることもできません。

自壊創の手当てはできません。

※自壊創とは

皮下に浸潤したがんが皮膚を破って突き出し

創傷を形成すること

 

ご主人は、家事は

料理以外は何でもできるし

広い畑の農作業もしています。

いつも美味しい

とれたて野菜を頂いています。感謝。

 

ですが、自壊創は怖くて見れず

処置はもってのほかで

創部を見たら失神するかもしれないですアセアセ

 

突然痛み出し

転んでもいないしぶつけてもいない。

だとすると

疑わしいのが『骨転移』

 

在宅医療のデメリットは

レントゲンやCT・MRIなど

画像評価ができないこと、

心電図や血圧の経時変化を観察する

モニター管理ができないことです。

 

Nさんに病院受診を勧めました。

痛みをこらえてトイレとベッドを往復して

骨折する可能性が高かったから。

ところがNさんは

静かに頑固な方なのです。

 

「私は80歳まで生きれたら十分だと

昔から思ってた。もう十分だよ。

抗癌剤だってホントは

受けるつもりはなかった。

家族が強く勧めるもんでね。

こんな先が短いばあさんが

高額な治療を受けるのはもったいないわ」

「今年が最後の年越しかもしれん」

 上差し

何度か繰り返し聞いています。

 

病院受診を強く勧めても

検査と治療方針が決まるのは年明けです。

 

抗癌剤メニューを変更しても

自壊創は悪化しています。

ということは

期待する効果が出ていないということ。

 

本人が自覚しているように

本当に今年が

人生最後の年越しになるかもしれない。

 

病院受診したら

即日入院になる可能性が高い。

入院すれば毎日処置してもらえるし

ご主人が苦手分野の食事が提供されて

清潔を保つことができる。

でも、家族には会えなくなる。

ご本人が受診を

拒否する気持ちも理解できます。

 

困った・・・もやもや

こういう時こそ

病院と在宅が連携しなくてはグー

そこで、病院の患者サポート室看護師に

相談しました。

 

毎日訪問看護で処置することが

在宅療養の条件で

なおかつ

ダイヤオレンジ感染兆候(高熱、出血、痛みの増強)を

 認めたとき

ダイヤオレンジ転倒したとき

ダイヤオレンジ今以上に動けなくなって

 家族が介護の限界を迎えたとき

この3つに当てはまったら

救急搬送することをご本人と介護者に

理解して頂くことになりました。

 

今までの週1回訪問から

毎日訪問に切り替えました。





続いて12月30日の度重なる緊急コール。

1回目18:45

「久しぶりにシャワーしてもらって

ご機嫌だったのに

好物のカニを食べさせても元気がなくて

脈が180もあるだよ。どうしたらいい?」

12月26日まで、菌血症とコロナ感染症で

入院治療していたNさんの奥様からでした。

 

Nさんは病気のオンパレードです。

珪肺で在宅酸素療法していて

その治療をしていたら薬剤性糖尿病になり

注射と内服治療をしていて

慢性腎不全で透析導入の可能性が高いので

身体障がい者手帳4級を持っていて

前立腺癌があります。

 

心臓だけは異常を言われたことがないのに

頻脈で動悸を訴えて苦しいと。


急行しましたダッシュ


血圧とSpo2は通常と変わりなし

動悸以外に苦痛はない

血糖値も正常

会話ができて意識はクリア

致死性不整脈ではないと判断して

2~3時間程度で軽快する可能性があるので

21:30に再訪問を約束して退室。

 

21:00 2回目の緊急コール

「お父さんが苦しいのが続いとるで

今すぐ来て欲しいって言うだけど

来てもらえる?」と奥様からです。

 

21:15に到着して

頻脈と動悸以外の異常はなく

血圧、Spo2も通常で会話もできて

まもなく落ち着くだろうなと予測しましたが

ご本人はすっかり

病院受診の気分でいるので

救急車を要請しました。

 

救急隊が心電図モニターを装着した時

上室性頻拍の波形を示しているものの

すでに脈は落ち着きつつありました。

 

23:36 Nさんの奥様から電話連絡

「病院着いたときは

脈が落ち着いてて異常がないから

発作が起きたら来てくれって。

今から帰ります」

 

やっぱり、そうでしたか。

 

在宅医療はモニター管理ができないので

受診を強く希望するご本人が

納得する説明ができません。

車椅子に介助なしで移動できないので

深夜の帰宅となり

ご家族様に大きな負担をかけました。

 


毎年12月30日は

高校の同級生と忘年会をするんだけど

(今年もオンラインで)

今年は緊急コール対応で

20分しか参加できませんでした。

でも私が無病息災で過ごせたら

来年チャンスがあるから

次回こそ対面で

乾杯できると願うことにします。

  



12月31日 20:40 緊急コール

大腸がん末期状態で肺転移のため

在宅酸素療法と医療用麻薬で

苦痛緩和しているIさんの娘様から

「喉元で痰がゴロゴロしていて

吸引しても取り切れなくて苦しそう」と。

 

娘様は献身的に介護されています。

苦しそうにしている父親に

自分ができるすべてをしてみたけど

楽にならなくて困っていました。

 

呼吸困難感は死を意識するほどの

ツラい症状です。

急行しましたダッシュ

 

幸い意思疎通が図れて

在宅酸素1L/分でSpo2:96%あります。

肺音は良好で熱もない。

誤嚥性肺炎は起こしていないようです。

酸素化不良や循環不良の時に起きる

チアノーゼもありません。

 

ご家族では難しい鼻腔から

痰を吸引したら

呼吸が穏やかになって

ウトウトし始めたので退室しました。

 

家に着いてすき焼きを温め直して

お腹いっぱい食べたら

睡魔に襲われて

ソファでうたた寝してしまいzzz

気づいたら年を越していた・・・

 

元旦は4件訪問して

スタッフに渡すお年玉の準備をして

 


さて帰りましょうかと思ったら

18:45 緊急コール

先日救急搬送したNさんの奥様から

「オムツ変えたら

脈が180になったり60になったりで

昼も晩も食べたくないって元気がないだよ。

どうしたらいいかね」と。

 

救急搬送以外に対処法がないことを伝えると

「また帰されるかもしれんし

この前、年明けてから

24時間心電図つけて検査した方がいいって

言われたから・・・」

救急搬送を渋る様子がうかがえます。


帰宅の介助が大変だったんだと思います。

かと言って、薬の処方ができない私は

なす術がありません。

 

ダイヤグリーン160以上の頻脈が30分以上続くとき

ダイヤグリーン会話ができずぼんやりしているとき

ダイヤグリーン血糖値が70を切ったとき

この3点を救急搬送の基準としました。




 

22:17 緊急コール

「160以上が30分以上続いて

本人は病院受診する気分でいるから

来てもらえんかね?

救急車呼んで欲しい」

22:30到着時は

先日と同様、頻脈以外に異常なし。

 

前回救急搬送した時に

医師から

「今度発作が起きたら

救急車で来院してください」

と言われたので

救急隊員に強く訴えて

かかりつけの前回と同じ病院に

搬送してもらえることになりました。

 

年末年始に働く人を見ると

同志な気がして励まされます。

24時間365日消えることのない

コンビニの明かりにも勇気をもらえます。

 

スタッフの幸せと健康を願うばかりに

アラフィフナースだというのに

年末年始は少し無理をしてしまいました。

 

今年はもう少し

自分のことを労わりながら

ペース配分を考えて

お仕事とやりたいことを

実現していこうと思います。

 

 

それでは今日はこの辺で。

最後までお読み頂き

ありがとうございました。